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電子帳簿保存法とは?クラウドシステムや改正ポイントも解説

公開日:
2024/02/13
最終更新日:
2024/09/25
目次

電子帳簿保存法とは?クラウドシステムや改正ポイントも解説

改正電子帳簿保存法は2021年の税制改正で見直され、2022年1月1日から施行されました。本改正により、国税関係帳簿(以下、帳簿)や国税関係書類(以下、関係書類)の保存手段において緩和措置が取られる一方、電子取引による取引関係書類の電子データでの保存が義務化されるなど、電子帳簿保存法の正しい理解と対応が企業として求められています。尚、施行直前となる2021年12月10日に発表された「令和4年度税制改正大綱」の中で電子取引による取引情報の電子データによる保存義務については、2年間の対応猶予期間が設けられましたが、2023年末には対応が必要となること、また義務化如何に関わらず、電子保存は企業の経理業務の管理負荷低減や業務効率の向上、物理的な保管場所の縮小など、メリットも多いことから、早めに対応手段を準備しておきましょう。 今回の改正により、従来必要であったタイムスタンプや検索に関わる要件などが緩和され、電子化された関係書類の保存にクラウドストレージでも対応しやすくなりました。この記事では、改正によるそれら保存要件の変更ポイントとクラウドストレージを活用した電子データの管理・保存のメリットを紹介します。

2022年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法では、クラウドストレージの活用が容易となる規制緩和が進む一方、インターネット上での購買や決済といった電子取引で受領した取引情報(請求書や領収書など)などの関係書類についてはこれまでの紙による保存義務から変更され、電子データでの保存が義務化されました。義務化の内容については、施行直前の2021年12月10日に発表された「令和4年度税制改正大綱」の中で以下の条件が満たされる場合、2023年12月31日までの2年間は猶予期間が設けられました。

  • 所轄税務署長がやむを得ない事情があると認める場合(但し、やむを得ないかどうかの審査や申請手続きはなし)
  • 当該保存義務者が質問検査権に基づく当該電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る)の提示又は提出の求めに応じることができるようにしている場合

猶予期間はあるものの、いずれは義務化が決定していることから、インターネットで購買した物品の領収書やメールに添付された請求書などの電子取引で受領した関係書類について、プリンターで印刷した見積書や郵送等で受領した請求書、手書きの領収書などと合わせて紙でキャビネットや倉庫に保存していた企業も運用を変更し、電子データによる保存・保管を本格的に検討する必要があることには変わりありません。

帳簿・関係書類の保存先システムは、多くの企業より様々なサービスやツールが提案されています。例えば全社員で利用するファイルサーバーとしての用途で、クラウドストレージを日常的に使っている場合には、クラウドストレージ上で各部門からの関係書類の提出から経理担当による確認と会計システムで処理後の長期保存までが可能となり大変便利です。リモートワークが進む中で社員が電子取引の領収書を紙に印刷し、経理担当者に提出するためにオフィスに出社するといった非効率も防ぐことができます。

加えて、改正電子帳簿保存法による新たな運用で、企業内のペーパレス化が促進されることにより、長期間の書類保管にかかる負荷低減や物理的スペースが不要になるなど、大きなメリットがあります。

早速、本法令と改正ポイント、対応メリットを具体的に見ていきましょう。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法は1998年に制定された法律です。帳簿と関係書類(具体的には、仕訳帳などの帳簿や貸借対照表といった決算関係書類、商取引による見積書、発注書、請求書、契約書、領収書などの書類)について一定の要件を満たしたうえで電子的に保存することを認め、電子的に授受した取引情報の保存義務等を定めているものです。

帳簿ならびに関係書類の電子データ化の取り組み自体は、税務に関わる当局と企業の税務関連業務のIT活用による効率化、ならびに企業にとっては情報管理や保管の効率化を推進することに寄与することは間違いありませんが、このような法令により、拡大する電子取引とそこから発生する電子データの保存方法についても規定を設け正しく保管することも目的としています。

今回の改正により、電子データの保存要件が緩和されるとともに、保存要件に合致するかたちで保存される帳簿・関係書類は「優良な電子帳簿」とみなされ、過少申告加算税の軽減措置の適用対象になる可能性もあります。一方、電子取引で授受した関係書類については電子データでの保存が義務化されるので注意が必要です。

電子帳簿保存法改正をわかりやすく!ポイントは5つ

1.事前承認制度の廃止

これまで、電子帳簿保存を行う3か月前までに税務署に対して必要だった事前申請と承認が不要となり、一部必要な場合のみの届け出制になりました。この変更により、要件を満たすシステム環境が整えば届け出なしですぐに電子帳簿保存に対応ができるようになりました。

2.電子データへのタイムスタンプ付与に関する変更

電子帳簿保存法でいう電子データの対象の帳簿・関係書類には以下の3種類があります。

種別内容帳簿・関係書類の例
電子帳簿保存一貫してコンピュータで作成されたもの・帳簿(仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳、固定資産台帳等)
・決算関係書類(貸借対照表、損益決算書等)
・取引関係書類(請求書、見積書、納品書等)
スキャナ保存紙でやりとりをしたものをスキャナ取り込みやカメラ・スマートフォンで撮影した電子データ・発行と受領した取引関係書類(見積書、契約書、請求書等)
電子取引データ保存EメールやWeb上の電子取引で受領した書類・受領した取引関係書類(見積書、請求書、領収書等)

これまでに紙で受領しスキャンされたデータは、改ざんが無いことを証明するため受領者が署名をした上で3日以内に電子署名のシステム等を利用しタイムスタンプを付与する必要がありました。そのため、タイムスタンプ付与のためのシステムの導入が必要になるなどがネックとなり、企業の電子帳簿保存の促進を阻む一因ともなっていました。

今回、この期間が2か月に延長されるとともに、修正や削除というアクションの有無がログで確認でき、変更・改ざんが無いことを証明できるシステムを利用する場合には、タイムスタンプ付与も不要となる等、大きく要件緩和となりました。電子取引によるデータもスキャナと同趣旨の緩和が適用されます。

3.スキャナ保存・検索要件の緩和

2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法により、スキャナ保存の要件が緩和されました。これにより、スキャナ保存を導入する際の手続きが容易になり、企業や個人が文書管理を効率化できるようになりました。スキャナ保存とは、紙書類をスキャナで読み取り、電子データとして保存することです。スキャナ保存を導入するためには、一定の要件を満たすスキャナを使用する必要があります。しかし、改正電子帳簿保存法により、これまでの要件が緩和され、スキャナ保存がより手軽に実施できるようになりました。

具体的には、改正後のスキャナ保存の要件は以下のようになります。まず、スキャナで読み取った電子データは、保存する前に確認・修正することが求められます。また、読み取り時には必要な情報(日付や差出人など)を適切に付加する必要があります。さらに、保存した電子データは一定の期間、容易に検索できる状態で保管する必要があります。

スキャナ保存の要件が緩和されたことにより、企業や個人は以下のようなメリットを享受することができます。まず、紙書類を電子データ化することにより、文書の保管場所や保管コストを削減することができます。また、電子データは検索が容易であり、必要な情報を素早く見つけることができます。さらに、データのバックアップやセキュリティ対策も容易に実施できます。

4.適正事務処理要件の廃止

紙の原本書類とスキャナ保存データの同一性確認のために必要とされていた業務及び運用が不要とされ(「適正事務処理要件の廃止」)、書類受領者などが原本書類とスキャンデータの同一確認をしたのち、直ちに紙の原本書類を廃棄することが可能となりました。

5.電子取引による電子データ保存義務

上記1~4の要件緩和がある一方、電子取引によるデータはこれまで紙での保存が認められていましたが、今後(※1)は電子データでの保存が義務付けられるようになります。テレワーク中心となり従来は印刷物でやりとりしていた請求書等の取引関係書類をメールで受領するようなシーンも増えていますので注意が必要となります。

以上が改正内容となりますが、特に5つ目のポイントについては、これまで関係書類を紙のまま、または紙に印刷して一元管理、保存していた企業は、今後は電子データとして安全に「正しく保存」する必要があるため、要件に対応した会計システムや会計処理に必要な電子データの収集や会計処理が終了した関係書類の保管先については、クラウドストレージ等、法令に対応した保管要件を満たすシステム利用を検討する必要があります。
電子帳簿保存法の要件に対応したシステムかどうかの判断に不安がある場合には、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定する、電子帳簿保存法の各種要件認定ソフトの製品一覧から探すことをお勧めします。尚、こちらの製品一覧は国税庁のWebサイトからも確認が可能です。
(※1)本要件は2024年1月1日まで義務化については猶予期間が設けられました。

電子帳簿保存法の具体的な「保存」要件とは

電子帳簿保存法改正では、電子帳簿保存、スキャン保存、電子取引データ保存の種別毎に対応要件があり、「正しく保管」された電子データとは、つまり「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つの観点で以下の5つの要件を満たすものとされます。

1.真実性の確保

要件 内容 帳簿 書類
訂正・削除履歴の確保 記録事項の訂正・削除の事実内容が確認できること、帳簿に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後に行った場合には、その事実を確認することができること  
相互関連性の確保 帳簿に係る電子データの記録事項とその帳簿に関連する他の帳簿の記録事項との間において、相互にその関連性を確認できるようにしておくこと  
操作手順書など、関係書類等の備付け 帳簿に係る電子データの保存等に併せて、システム関係書類等(システム概要書、システム仕様書、操作説明書、事務処理マニュアル等)の備付けを行うこと

2.可視性の確保

要件 内容 帳簿 書類
見読可能性の確保 保存場所にPC、プログラム、ディスプレイ、プランおよびこれらの操作マニュアルを備え付け、記録事項を画面や書面に整然とした形式かつ明瞭な状態で速やかに出力できること
検索機能の確保 ①   取引年月日その他日付、取引金額、取引先により検索ができる
②   日付または金額の範囲指定により検索ができる
③   2つ以上の任意の記録を組み合わせた条件により検索できること

このような要件に対応するために、例えば自社で事務処理規定を設け、保存した電子データの変更・削除の防止をしたり、エクセルでの台帳や牽引簿の作成や保存時にフォルダやファイル名の命名規則を設けて管理する方法も可能ですが、長期保管を考慮すると、電子帳簿保存法要件に対応したシステム導入を検討することで各部門での業務効率化が図れたり、法令順守へのハードルを下げることができます。

電子帳簿保存システムにおける3つのタイプとは?

電子帳簿保存法には、主に3つのタイプの電子帳簿保存システムが存在します。これらのシステムは、国税関係帳簿書類の電子保存を可能にするためにそれぞれ用途が設けられています。

まず、最も一般的なシステム用途「電子帳簿等保存」です。このシステムでは、税務署が定める要件を満たした電子データによる帳簿保存が認められています。具体的には、データの完全性や信頼性、可読性、および保存期間の確保が求められます。

次に、「スキャナ保存」の用途です。このシステムでは、紙の帳簿書類をスキャナでデジタル化し、電子データとして保存することができます。ただし、保存されたデータは元の紙の書類と同じく信頼性と可読性が確保されている必要があります。

最後に、「電子取引データ保存」の用途です。このシステムでは、電子取引に関連するデータを保存することができます。具体的には、電子メールやウェブ上のデータ交換など、電子的なやり取りによって発生する情報を保存することが求められます。

これらのシステムは、電子帳簿保存法に基づいて設けられていますが、各システムごとに保存要件や手続きが異なる場合があります。したがって、事業者は自身の帳簿保存の方法を選択し、法律の要件を満たすように注意する必要があります。

電子帳簿保存システムと電子帳簿保存法の関係

電子帳簿保存システムは、電子帳簿保存法に基づいて構築されたシステムです。この法律は、経理のデジタル化を促進するために制定されました。電子帳簿保存法は、税務関係の帳簿書類をデータで保存することを可能とするものであり、経理の効率化やペーパーレス化を目指しています。

電子帳簿保存法は、請求書や契約書、総勘定元帳、仕訳帳など、さまざまな書類の電子化と保存に関する要件を定めています。具体的には、電子データ保存、スキャナ保存、電子取引の3つの区分があります。電子データ保存は、最初から電子データで帳簿類を作成して保存する方法です。スキャナ保存は、紙の請求書などをスキャンして電子化し保存する方法です。そして、電子取引は、Webシステムなどを通じて電子で請求書を発行・受領する方法です。

2021年1月の電子帳簿保存法改正により、電子取引を紙に出力して保存するルールが原則廃止となりました。これにより、電子取引は要件を満たした上で、データで保存することが義務付けられました。具体的な要件や保存方法については、法律によって定められています。

2024年1月からは、企業や個人事業主などの所得税法・法人税法上の保存義務者は、電子帳簿保存法に対応しなければなりません。つまり、電子帳簿保存システムを導入し、電子データでの帳簿保存を行う必要があります。

電子帳簿保存法の改正により、経理のデジタル化が一層進むことが期待されます。ペーパーレス化により、帳簿の作成や保存が効率化され、情報の取り違いや紛失のリスクも軽減されます。また、データの検索や分析も容易になり、経営の意思決定に役立つでしょう。

電子保存専用タイプ

電子保存専用タイプのシステムは、取引に関する書類に通常記載される情報(取引情報)を含む電子データの保存を効率的に行うことができます。電子データをやり取りすることで、紙の書類の作成や保管の手間を省くことができます。

また、電子保存専用タイプのシステムは、電子帳簿等保存の要件に対応しています。電子帳簿保存法には、保存するデータの形式や保存期間などが定められていますが、この専用タイプのシステムを利用することで、法律に適合した形でデータ保存を行うことができます。

さらに、電子保存専用タイプのシステムは、データの管理や検索が容易です。データは電子的に保存されており、必要な情報を素早く抽出することができます。また、データのバックアップやセキュリティ対策もシステム内で行われているため、情報漏洩やデータの破損などのリスクを低減することができます。

電子保存専用タイプのシステムは、経理業務の効率化やコスト削減にも貢献します。紙の書類を作成・保管するための費用やスペースを削減することができますし、データの一元管理によって業務の効率化が図れます。

請求書受領タイプ

請求書受領タイプには、紙媒体と電子媒体の2つの方法があります。紙媒体では、請求書が印刷されて郵送されるか、直接手渡されます。一方、電子媒体では、請求書がPDFファイルなどの形式でメールに添付されて送信されます。

紙媒体の請求書受領では、郵送や手渡しによって請求書を受け取ります。郵送の場合、郵便物として請求書が届きますので、それを受け取ることで受領が完了します。手渡しの場合は、直接相手から請求書を受け取ります。この方法は、従来のやり方であり、受領の確認が容易です。

一方、電子媒体の請求書受領では、請求書がPDFファイルなどの形式でメールに添付されて送信されます。受領するには、メールを開き、添付ファイルをダウンロードまたは印刷して保存する必要があります。この方法は、紙媒体に比べて受領の手続きが簡略化されますが、電子データの保存や管理には注意が必要です。

請求書受領のタイミングは、送付された請求書を受け取った時点で受領となります。受領後、請求書の内容や金額が正しいかどうかを確認し、支払いの手続きを行います。また、請求書の受領メールを送ることで、相手に受領の報告をすることが一般的です。

請求書受領タイプは、業務の効率化や処理のスピード化に影響を与えます。紙媒体では手間や時間がかかる場合がありますが、電子媒体では簡単かつ迅速に受領手続きを行うことができます。また、請求書受領サービスを活用することで、受領業務を効率化することも可能です。

経費精算タイプ

経費精算には、さまざまなタイプがあります。まず、小口精算とは、日常の業務に必要な少額の経費を精算する方法です。例えば、文房具や交通費などが該当します。小口精算では、領収書や明細書を集めてまとめ、経費精算書に記入し、上司や経理部に提出します。

次に、交通費精算です。これは、出張や外出時にかかった交通費を精算する方法です。交通手段や距離に応じて、交通費の計算方法が異なります。一般的には、公共交通機関の利用に対する経費や、自家用車の使用に対するガソリン代などが含まれます。出張や外出の際には、交通費の領収書を必ず保管し、経費精算書に明細を記入して提出します。

最後に、旅費精算について説明します。これは、長期の出張や出張先での滞在費用を精算する方法です。旅費精算では、宿泊費、食事代、交通費などが含まれます。出張先での滞在費用は、予約や領収書、明細書などの証拠をもとに、経費精算書に詳細を記入して提出します。

経費精算の目的は、業務に必要な経費を的確に管理し、適切に精算することです。経費精算は、企業の財務管理や予算編成にも関わる重要な業務です。領収書や明細書の保管や精算書の正確な記入は、経費精算の効率化やトラブルの防止につながります。

電子帳簿システムの比較方法・選び方

電子帳簿システムは様々なサービスがあり、それぞれのサービスによって特徴は異なります。ここでは電子帳簿システムの比較方法・選び方について解説していきます。

従業員の業務効率化が可能か

電子帳簿システムを導入することは、従業員の業務効率化につながる可能性があります。なぜなら、電子帳簿システムは手作業に比べてデータの入力や検索が容易であり、時間と手間を節約することができるからです。

まず、電子帳簿システムの比較方法について考えてみましょう。比較する際には、以下のポイントに注目することが重要です。

一つ目はシステムの機能です。従業員の業務に必要な機能が提供されているかどうかを確認しましょう。例えば、データの入力や検索、帳簿の作成や閲覧などがスムーズに行えるかを確認することが重要です。

二つ目はシステムの使いやすさです。従業員が簡単に操作できるかどうかを確認しましょう。使いにくいシステムでは逆に業務効率が下がってしまう可能性もありますので、注意が必要です。

三つ目はセキュリティです。電子帳簿には重要な情報が含まれているため、システムのセキュリティ対策が十分に行われているかを確認しましょう。情報漏洩や不正アクセスなどのリスクを最小限に抑えることが重要です。

以上のポイントを踏まえて、従業員の業務効率化が可能かどうかを判断することができます。もしもシステムが機能豊富で使いやすく、かつセキュリティもしっかりとしている場合、従業員はより効率的に業務を行うことができるでしょう。

管理・操作方法は簡単か

電子帳簿保存システムを選ぶ際には、その管理や操作方法が簡単かどうかが重要なポイントです。実際に使ってみる前に、事前に比較や選び方のポイントを押さえておくことが大切です。

まず、電子帳簿保存システムの比較方法ですが、複数のソフトやシステムを比較検討することが必要です。JIIMA認証ソフトや口コミ評価の高いシステムなど、信頼性や評判を確認することが重要です。また、自社の業務ニーズに合った機能や特徴を持つシステムを選ぶことも大切です。

次に、選び方における管理・操作方法の簡単さについてです。システムの管理は、利用者が容易に操作できることが求められます。例えば、ユーザーインターフェースがわかりやすく、直感的に操作できるシステムが望まれます。また、データの管理やバックアップ、セキュリティ対策なども簡単に設定できることが重要です。

さらに、操作方法の簡単さも考慮すべきです。システムの操作が複雑であったり、手順が煩雑であると、利用者はストレスを感じるかもしれません。操作が簡単で効率的なシステムを選ぶことで、業務の効率化や作業のスムーズさを実現することができます。

国税関連書類が対応可能か

電子帳簿システムを比較し、選ぶ際に重要なポイントは、国税関連書類が対応可能かどうかです。国税関連書類は、電子帳簿保存法の対象であり、特に法律で定められた期間保存が必要です。

具体的には、国税関連書類として、仕訳帳、総勘定元帳、売上帳、仕入帳、固定資産台帳などがあります。また、決算関連書類である貸借対照表や損益計算書も対象です。さらに、契約書や発注書なども電子帳簿保存法の対象となります。

電子帳簿システムを選ぶ際には、これらの国税関連書類がシステムで対応可能かどうかを確認する必要があります。システムがこれらの書類を適切に保存し、必要な期間にわたってアクセスできることが求められます。

さらに、電子帳簿システムを導入することによって、業務効率化やコスト削減が期待できます。しかし、対象サービスが多いため、どのシステムを選ぶべきか迷ってしまうこともあります。

失敗しない電子帳簿システムの選び方としては、まずは自社のニーズや要件を明確にすることが重要です。どのような国税関連書類が対象となるのか、どの程度の容量や機能が必要なのかを把握しましょう。

次に、複数のシステムを比較し、各システムの対応範囲や機能を確認しましょう。国税関連書類の対応だけでなく、セキュリティやバックアップ機能なども重要な要素です。

さらに、他の企業や導入事例を参考にすることも有効です。同業他社や信頼できる情報源から、実際に利用している企業の評判や意見を聞いてみましょう。

最後に、コスト面やサポート体制も考慮しましょう。システムの価格や導入費用、メンテナンス費用などを比較し、自社にとって最適な選択肢を見つけましょう。

電子契約書や請求書の保存要件を満たすか

電子帳簿保存法の要件を満たすためには、適切な電子帳簿保存システムの導入が必要です。しかし、数多くのシステムが存在するため、比較方法や選び方には注意が必要です。

まず、比較方法としては、機能や性能、使いやすさなどを評価することが重要です。電子契約書や請求書の保存要件を満たしているかどうかを確認するために、システムが提供する機能や保存できるファイル形式などをチェックしましょう。また、システムの性能や安定性も重要です。データの漏洩や破損のリスクを最小限に抑えるために、セキュリティ機能やバックアップ機能などが充実しているかも確認しましょう。

次に、選び方について考えてみましょう。まずは、自社のニーズや目的に合致しているかを確認しましょう。例えば、業種や業務内容によって必要な機能や特徴が異なる場合があります。また、予算や規模に応じて適切なシステムを選ぶことも重要です。コスト面や導入の容易さを考慮しながら、最適なシステムを選びましょう。

さらに、他のユーザーのレビューや評価も参考にすることが有益です。実際に利用した人の意見や評価を確認することで、システムの実力や使い勝手を把握することができます。また、導入前にデモンストレーションや無料トライアルを利用することもおすすめです。自分自身で操作してみることで、システムの使いやすさや適合性を判断することができます。

電子帳簿保存法に対応のシステムなら“Fileforce”!機能やメリットを紹介

これまでに解説をしてきた電子帳簿保存法における帳簿や関係書類を、法令要件に対応しながら保存できるシステムとして、国産クラウドストレージサービスFileforceをご紹介します。
Fileforceは、電子化された帳簿・関係書類のファイルデータの保存における真実性と可視性要件を満たす、企業のために開発された安全なクラウドストレージサービスです。2022年には公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(以下JIIMA)により、「電子帳簿ソフト法的要件認証(保存)」の認定を取得し、同協会のWebサイトにも電子帳簿保存法の要件を満たすソフトウェアの製品一覧に公表されています。企業の情報資産を堅牢なストレージで守るとともに、法令への対応を容易にし、コンプライアンス遵守を支援します。

JIIMA

今回の改正電子帳簿保存法の要件に対して、クラウドストレージFileforceがどのような機能で対応をしているかを以下でご説明します。

クラウドストレージFileforceの基本機能で<真実性・可視性の確保>に対応可能

帳簿の内容(記述内容として帳簿の各項目に入力されたデータ単位)にかかわる真実性については、帳簿を作成する会計関係システム側で確保される必要がありますが、クラウドストレージFileforceではファイル化して保存された電子データに訂正・削除の履歴がないことをログで担保し、真実性を確保することが可能です。

クラウドストレージFileforceはクラウドにアップロードされたファイルデータを国内の複数データセンターでリアルタイムに複製と保存を行い、万が一の障害に備え万全の対策とデータ保全をしています。保存(アップロード)されたファイルデータは日本時間で保存日時がログに記録され、日本の法律により守られます。更に、Fileforceでは、すべてのファイルデータにはユニークなハッシュ値をもっています。国産のSaaSベンダーとして、関係当局からの検査等でデータの改ざんや差し替えが無いことの証明が必要となった場合、弊社では利害関係のない第三者としてその証明に協力をすることも可能です。

尚、日常業務や関係当局からの要請により、対象ファイルデータに変更、削除がないことを確認する必要が発生した場合には、ログデータの取得・保管に加え便利なログ分析機能があります。対象のファイルデータについて、システム管理者を含むすべてのユーザの変更や削除のアクションの有無を即時に確認できます。
また、変更・削除の防止については、社内の事務処理規定整備による運用ルールの整備に加え、一度保存されたファイルの変更、削除をフォルダのアクセス権限(ロール)で禁止するなどのシステム上でのコントロールも可能ですので、日々の業務の中でのうっかりミスも防ぐことも可能です。

また、関係書類の電子データ(ファイル)同士やファイル化した帳簿と関係書類も、フォルダやファイルの命名規則で紐づけることにより、相互関連性を確保することができます。システム操作マニュアルやシステム概要書等の備え付け要件には、オンラインのマニュアルを提供することで対応しています。なお、オンラインマニュアルでの対応可否については国税庁が公開している本法令改正に関する一問一答(以下の参考リンク)の中で要件に適合しているという記載があります。

以上のようにクラウドストレージFileforceは基本機能でも電子帳簿保存法の要件に対応することが可能ですが、より運用性と利便性を向上させる機能として、ファイルへの属性情報の付与機能(取引年月日や取引先、金額などの情報を入力)と操作ログの保存期間を通常の1年から10年に延長する「SmartFolder™ for 電帳法」もご用意しています。

可視性確保の第一歩は整理・管理のしやすさ

可視性の点において、クラウドストレージFileforceでは、ファイルのダウンロード以外にブラウザ上でのファイル検索やプレビューの参照を簡単に行えることも特長です。フォルダ構成とそれぞれのフォルダへのアクセス権限により、組織や業務別に整然と管理することで業務効率化を高め、ファイルデータ管理におけるミスや事故を未然に防ぎます。
長期保管が必須となる電子データだからこそ、整理整頓がしやすいクラウドストレージサービスを選定することで社内の管理コストを削減することにもつながります。

ブラウザ上のプレビュー機能でダウンロードなしで参照可能

クラウドストレージサービスの中にはファイル一覧から都度ファイルをダウンロードしないと内容の確認ができないものもありますが、クラウドストレージFileforceのプレビュー機能なら、都度クラウドからファイルをダウンロードしなくても、関係書類の内容を簡単に確認できます。

検索機能と属性情報の追加で更に効率的に

検索性の高さもクラウドストレージFileforceの特長です。日付やファイル名はもちろん、「取引年月日」「取引金額」「取引先」や「勘定科目」、その他伝票番号などの属性情報をカレンダーやリストから簡単に入力できる機能もオプションとして提供しています。
属性情報を利用することにより、関係資料間での関連付けが効率化され、別途エクセルで台帳や牽引簿を作成したり、ファイルの命名規則の徹底をしたりすることなく、全社で運用ルールを統一することが容易になります。検索結果は一覧で表示され、プレビューで参照もできるので確認も簡単です。
真実性確保における相互関連性の確保に加え、使いやすい検索機能で必要なファイルをすぐに見つけられる点も大きなメリットです。

各部や社員からの電子データ提出や確認もクラウドストレージ上で楽々

電子帳簿保存法への対応は法令順守という観点で非常に重要ですが、本対応により、経理部門のみならず社員の業務負荷が増えないようにしたいものです。例えば、社内の各部門や社員から経理担当者へ精算が必要な電子データの提出をすべてメール添付で行うのは大変非効率です。
社員が日々の業務の中で使用するクラウドストレージが関係書類の提出先そして保存先となっていることで、経理担当のみならず、全社の経理・精算関連業務にかかる時間の大幅短縮につながります。

上の図のように、各部門別のアップロード専用フォルダを作成し、経理担当者のみが参照後に処理済みフォルダへファイル移動を可能とする仕組みを作ることで、効率的に全社の電子取引データをクラウドストレージ上で一元管理できます。

便利な属性項目の付与機能(オプション)

クラウドストレージFileforceの属性項目は、ファイルを指定してカレンダーや取引先や勘定項目など固定の情報はプルダウンリストから簡単に選択できます。項目名やリストにセットする項目などは自社の運用に合わせてシステム管理者が設定できます。

ファイルに付与できる属性項目 一覧

属性項目(セット)名 電子帳簿保存法対応
取引年月日 カレンダーから選択
取引金額 半角数字
取引先・勘定項目リスト リストから選択
取引先・勘定項目 テキスト(100文字)
管理番号 テキスト(100文字)
任意項目1 テキスト(100文字)
任意項目2 リストから選択
任意項目3 リスト選択とテキスト

その他の電子帳簿システム

ここからはその他の電子帳簿システムについて解説していきます。

TOKIUMインボイス

TOKIUMインボイスは、請求書の受け取りから完全ペーパーレス化までをサポートするクラウド請求書受領システムです。このシステムでは、紙やPDFなどの形式を問わず、あらゆる請求書を受領代行して自動的にデータ化します。さらに、支払申請、承認、仕訳などもオンラインで完結させることができます。また、仕訳データは加工することなく、会計ソフトへの取り込みもスムーズに行えます。

TOKIUMインボイスの利点は、請求書の形式を問わず一元管理できることです。大量の請求書がバラバラの形式で届く場合でも、TOKIUMが代行受領し、データで管理します。これにより、手入力の手間やミスを減らすことができます。

また、電子帳簿保存法やインボイス制度への対応も大変な作業ですが、TOKIUMインボイスを利用することで簡単に対応できます。このシステムはテレビCMでも紹介されており、多くの企業で利用されています。

TOKIUMインボイスは、請求書支払いにかかる時間を大幅に削減し、完全ペーパーレス化を実現できると評判の高いクラウド請求書システムです。経理業務の効率化やコスト削減を目指す企業にとって、TOKIUMインボイスは非常に有用なツールとなるでしょう。

TOKIUMインボイス

マネーフォワード クラウドインボイス

マネーフォワード クラウドインボイスは、2023年10月1日から始まるインボイス制度に対応したサービスです。この制度では、免税事業者から課税事業者になる際に必要な操作や設定を簡単に行うことができます。

マネーフォワード クラウドを利用することで、インボイス(適格請求書)の作成や控えの保存、取引内容の確認と仕訳の登録など、売り手側の主な日常業務を効率的に行うことができます。さらに、消費税の集計や申告に関する機能も提供されており、クラウド会計や確定申告のプロセスをスムーズに進めることができます。

マネーフォワードは、インボイス制度に対応するための新機能や開発ロードマップを公開し、個人事業主や中小企業、中堅・エンタープライズ企業向けにもホワイトペーパーを提供しています。これにより、さまざまな規模の事業者がインボイス制度にスムーズに対応することができるでしょう。

マネーフォワード クラウドインボイス

DenHo

DenHo(デンホー)は、AI-OCRクラウドサービスであり、電子帳簿保存法とインボイス制度に対応しています。DenHoは、FAXやメール、スキャナ、共有フォルダなど、さまざまな方法でデータを取り込むことができます。

紙帳票を簡単にデータ化し、検索や閲覧が可能です。また、DenHoは2種類のJIIMA認証を取得済みであり、電子帳簿保存法の要件に対応しているため、安心して利用することができます。

ただし、利用できるトライアルの期間は5日間と短いため、導入前に注意が必要です。 DenHoは2022年改正電子帳簿保存法にも対応しており、紙の文書をスキャンしたり、スマートフォンで撮影してアップロードすると、AIが文書の文字を認識・データ化して保存します。

これにより、画像内の文字も含めて全文検索が可能になり、ファイル名や保存先がわからなくても、文書内のキーワードで探すことができます。 DenHoは、改正電子帳簿保存法に対応した便利なクラウドサービスであり、効率的な電子帳簿の保存・管理を実現します。

DenHo

freee経理

freee経理は、freee株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトです。freee経理は、会計ソフトの中でも非常に知名度が高く、31万社以上の事業所が利用しています。このソフトウェアは、freee会計の仕組みをベースにしており、財務諸表作成機能を除いた特徴的な仕様となっています。

freee経理の特徴の一つは、債権債務だけでなく、資産管理も効率化できる点です。経理業務を一元化することで、損益や資金繰りを可視化し、経理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現します。また、freee経理は、会計以外の機能も持っており、債務・債権・固定資産の管理も可能です。

また、freee経理はインボイス制度にも対応しています。インボイス制度は、電子的な請求書の発行や保存が求められる制度ですが、freee経理を使用することで、簡単かつ正確にインボイスの作成・管理ができます。また、改正電子帳簿保存法にも対応しており、法改正にも常に対応しています。

さらに、freee経理は効率化とコストカットにも貢献します。債務や支払いの管理、債権や入金の管理などの経理業務を自動化することで、業務の効率化を実現します。これにより、経理部門の業務負荷を軽減し、コスト削減にも繋がります。

freee経理

Climber Cloud

ClimberCloudは、NTTデータが提供するバックオフィスクラウドサービスです。このサービスは、改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しており、法令や制度に準拠したデータの管理運用が可能です。

また、月額900円から利用できる従量課金制度を採用しており、コストパフォーマンスが非常に優れています。さらに、30以上の主要既存システムとの連携も可能であり、企業のさまざまな目的や用途に対応することができます。

ClimberCloudは、累計1,500社以上に導入されており、その高い機能性と汎用性から多くの企業が積極的に利用しています。ClimberCloudは、バックオフィス業務のデジタル変革を支援する頼もしいクラウドサービスです。

Climber Cloud

Box

このサービスは、請求書や領収書、見積書、契約書などの電子データに、日付や取引先、金額などの情報を入力してクラウド上で保存することができるものです。登録された情報を元に、素早く電子データを検索することができます。また、令和4年1月1日に施行された新しい電子帳簿保存法の電子取引データ保存およびスキャナ保存の要件にも対応しています。

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全社の帳簿書類の提出から処理後の保存までをひとつのクラウドサービスで

取引関係書類はメールやWebからのダウンロード等、社内の受発注専用システムや経理システム以外で受領するものも増えています。また、電子取引の増加やテレワーク導入に伴い、これまで経理部門宛てに郵便その他で届けられていたあらゆる取引による請求書や領収書が電子取引・電子データとなり、各部門の担当者へのメール送付や、各担当がダウンロードし取得するケースも増えています。(※2)

経理部門以外の担当者が専用システムにログインし直接取引関係書類を保存する運用はID付与などの観点からも難しいことから、全社でファイルサーバーのように使えるクラウドストレージサービスを利用し、関係書類の最終保存先として活用することで社内の関係書類のやりとりが圧倒的に効率化でき、更に一連の業務をログとして記録・保管できます。

(※2)電子取引データの授受、処理、保管は複数のクラウドシステムやサービスにまたがる業務につき、現状では、その点において、適宜事務処理規定を自社で定め整備する必要があります。例えば、メールやサービスプロバイダーのWEBサイトからダウンロードしたエビデンスについては改変せずに所定のフォルダに保存をする、といった内容の業務規程の整備をしておくことをお勧めします。

まとめ

今回の電子帳簿保存法改正は、デジタル庁設立をはじめとした政府による公的手続きにおけるIT活用やDX推進への意気込みを感じる動きです。義務化については、中小企業を中心に対応準備に時間を要するということが考慮され、施行間際に2年間の猶予期間も設定されましたが、これまでにも述べてきたとおり、経理関連書類の電子化とその保存にはメリットも多いことから、この機会に経理部門を含めた本格的なペーパレスならびにその徹底を検討することをお勧めします。

企業にとっても業務効率化はもちろんテレワークなどの働き方の多様化にも対応しやすくなり、大量の紙の帳簿書類が減ることで長期間にわたる物理的な保管場所の確保が不要となりコスト削減につなげることもできます。一方で、うっかり管理不備や不正行為があるとみなされた場合には、ペナルティもあるので注意しましょう。

専用システムの導入・契約等の特別な対応をせずとも、日ごろ業務で使うクラウドストレージによるファイル管理の延長上で安全かつ効率的に電子データを保存できるということは、改正電子帳簿保存法の順守はもちろんペーパレス化推進の面でも、Fileforceの活用による大きなメリットと言えます。

SaaSのクラウドストレージを採用することで、社内リソースをかけずに安全な長期保存先としてのデータ保全とシステム自体の可用性も担保され、社内のファイルデータの一元的な保存先が確保されます。早い時期に電子データの安全な保管先を確保し、管理運用を始めることで帳簿書類を含む全社のペーパレス化が大きく促進することは間違いありません。

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プレスリリース:https://www.fileforce.jp/news/20211201news

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