NASに接続できなくなってしまった場合の対処法を解説します。単純な接続ミスや設定の間違いなどによるトラブルが多いので、一つひとつ原因を特定すれば、ほとんどの場合は解決できるはずです。慌てず丁寧に対応するようにしましょう。
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NAS(ネットワークHDD)とは?
NAS(Network Attached Storage)とは、LANネットワーク上に接続して複数の端末からアクセスできるHDD(Hard Disk Drive)で、ネットワークハードディスクとも呼ばれます。
LANネットワークに接続して使えるHDD
多くのパソコンユーザーになじみのある外付けHDDは、パソコン端末にUSBケーブルで接続することで、外部ストレージとして利用できる製品として知られています。一方、NASはブロードバンドルーターやハブにLANケーブルで接続し、そのネットワーク上にあるすべてのパソコンから自由にアクセスできるのが特長です。
わざわざUSBメモリなどの記録媒体を介してデータをやり取りする必要がなく、各々のパソコンがNASにアクセスすることでデータの共有ができるため、多くの企業に導入されています。
NASに接続できない主な原因
個人でも法人でも便利に活用できるNASですが、突然、パソコンから接続できなくなるケースは珍しくありません。必要なファイルにアクセスできず仕事に支障が出てしまう可能性がありますが、原因さえ分かれば、すぐに対応できる場合がほとんどです。
NASに接続できない原因としては、主に以下のことが考えられます。
IPアドレスの競合や設定ミス
IPアドレスが競合を起こしている場合、NASにアクセスできなくなることがあります。IPアドレスとは、ネットワークに接続している端末に割り振られる番号のことで、いわば、各々の端末を特定するための住所のようなものです。
NASもブロードバンドルーターに接続して電源を入れた時点で、ルーターから自動的にIPアドレスが割り当てられるようになっています。しかし、ネットワーク内の端末数が多い場合、同じアドレスが別々の端末に割り振られて接続できなくなるケースがあります。IPアドレスの再取得を行いましょう。
また、IPアドレスを固定している場合は、アドレスの設定ミスによって接続できない可能性もあるので、正しい番号になっているか確認が必要です。IPアドレスの確認方法は後述します。
ネットワーク環境の問題
NASの電源が入っていなかったり、ケーブルの接触不良などで接続できなくなったりしている可能性もあります。こういった物理的なトラブルも多いので、電源周りやLANケーブルの接続状況などを確認しましょう。とくに新しいネットワーク機器の導入後は、単純な接続ミスが起こりやすいので注意が必要です。
NAS自体の不具合
NASが故障していたり、何らかの不具合が起こっていたりして、うまく接続できなくなる場合もあります。とくに異音が聞こえている場合や、エラーコードが表示されている場合などはNAS自体に原因があることが多いです。問題が発生した時に固有のランプが点滅する機器もあるので、取扱説明書を確認して、不具合の原因を特定しましょう。
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NASにアクセスできない場合の対処法
では、NASにアクセスできなくなった場合の具体的な対処法を解説します。以下の方法でも解決できない場合、NAS本体のトラブルの可能性もあるので、各製品の取扱説明書を参照して原因を特定しましょう。本体が故障している場合は修理や交換が必要になります。
IPアドレスを確認する
NASの管理用アプリや設定画面などからIPアドレスを確認しましょう。その上で、IPの設定が違っていた場合は修正します。もし他の端末とIPアドレスが競合を起こしていた場合は、次の手順で競合を起こしている端末のIPアドレスの固定を行いましょう。NASのIPアドレスは管理システムから設定できます。
- 「コントロールパネル」を開いて「ネットワークをインターネット」を選択
- 「ネットワークと共有センター」をクリック
- 「アダプターの設定の変更」を選択
- IPアドレスを固定するアダプターを右クリックして「プロパティ」を選択
- インターネットプロトコルパージョン(TCP/IPv4)をダブルクリック
- 「全般」タブの「次のIPアドレスを使う」をチェックしてアドレスを入力
- 「OK」をクリック
これでIPアドレスを固定できます。
ネットワークの設定を確認する
Windows10の場合、パソコンのネットワーク設定が「パブリックネットワーク」になっているとNASに接続できない場合があります。次の手順で設定を確認しましょう。
- スタートボタンを右クリックして「設定」を選択
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- ネットワークの状態を確認し、変更する場合は「プロパティ」をクリック
- ネットワークプロファイルを「パブリック」から「プライベート」に切り替え
これで設定がプライベートネットワークに切り替えられます。
ネットワーク機器の再起動
NAS本体や接続しているパソコン、あるいはルーターの再起動によって問題が解決するケースも多いです。とくにNASは長時間の起動によってプログラムに不具合が生じるケースがあるので、再起動することで正常に戻すことができます。
機器によっては再起動の手順が決まっているものがあるので、正しい手順で再起動するようにしましょう。突然シャットダウンすると故障の原因になる場合があるので注意が必要です。
SMB1.0の設定が原因の場合
Windows10の初期設定でSMB1.0と呼ばれるLANネットワーク内での古い通信プロトコルが無効になっている場合があります。
これはセキュリティ上のリスクが存在しているためですが、NASによってはSMB1.0にしか対応しておらず、Windows10で接続できないケースがあるようです。従って、SMB1.0を有効にすることで問題が解消する可能性があります。
SMB1.0を有効にする方法
次の手順でSMB1.0を有効にできます。
- 「コントロールパネル」を開いて「プログラム」を選択
- 「プログラムと機能」にある「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック
- 一覧から「SMB1.0/CIFSファイル共有のサポート」を有効にする
- 「OK」ボタンをクリック
SMB1.0が無効になっていた場合、これでNASに接続できるようになるはずです。
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まとめ
NASに接続できない主な原因と対処法を解説しました。NASにアクセスできなくなる状況は決して珍しいものではありません。冷静に原因を特定し、然るべき対応をすれば問題を解決できるケースがほとんどです。単純な接続ミスの場合も少なくありません。
ただし、NASの経年劣化や故障によって接続できなくなっている可能性もあるので、その場合は早急に修理に出すか新しい機器と交換しましょう。また、安定的に利用しやすいクラウドストレージを検討するのも手です。是非情報収集してみましょう。