ファイル管理をクラウドで行うには、自社の目的や環境に適したシステムを導入することが重要です。自社に合わないツールを導入しても、必要な機能がないため無駄なコストを掛けてしまうでしょう。選び方のポイントやおすすめのサービスを紹介します。
ファイル管理をクラウドに移行するメリット
インターネット上のクラウドでファイルを管理するようになれば、アクセス性が向上し、ファイル共有も容易になります。セキュリティが強化できることもメリットです。
どこからでもアクセスできる
社内のみでデータを管理する環境では、社内ネットワークにいなければデータにアクセスできず、社外でデータを扱いたい人の業務効率が下がるでしょう。
しかし、ファイル管理をクラウドへ移行すれば、時間や場所にかかわらずデータへアクセスできるようになります。
営業先や社外の取引先でデータを閲覧・編集したいケースでも、クラウド上にデータがあればわざわざ社内に戻る必要がありません。
社外で働くテレワークやリモートワークの導入を検討している企業にも、ファイルのクラウド管理はおすすめできます。
ファイル共有が簡単になる
複数人でファイルを共有する場合、これまではメール添付やUSBメモリーのような物理メディアでデータをやり取りするのが一般的でした。
これらの方法では手間や時間が掛かる上、社外とやり取りするケースでは記録媒体に複製した上で郵送することで配送代などのコストが発生する可能性もあります。
しかし、ファイル管理をクラウド上で行えば、どこからでも同じファイルへ簡単にアクセスできます。複数人で同時にファイルを共有することも可能です。
社内外でチームを組んで作業することの多い企業や、頻繁にデータをやり取りする企業に向くでしょう。
セキュリティやデータ紛失リスクが軽減
クラウド上でファイル管理できるクラウドストレージを導入することで、セキュリティの大幅な向上が期待できます。
多くのクラウドストレージサービスでは、さまざまなセキュリティ対策を講じることにより、ウイルス感染や情報漏えいなどのリスクを軽減しているのが一般的です。
データ紛失リスクを軽減できることも、クラウドストレージのメリットです。社外にデータを持ち出す必要がないため、端末の紛失などによるデータ紛失を防げます。
端末がウイルス感染したり故障したりして、端末内のデータが消失しても、クラウド上にデータを保存していれば安心です。
法人向けファイル管理サービスを選ぶポイント
クラウド上でファイル管理できるサービスは、多くの事業者から提供されています。法人向けサービスを選ぶ際は、ストレージ容量や通信速度・セキュリティ・サポートを重視することが大切です。
ストレージの容量や通信速度
世の中のIT化が加速するにつれ、企業で取り扱うデータも大容量化しています。ファイル管理サービスを選ぶ際は、ストレージの容量をチェックしましょう。
業種によっては、1ファイルのデータが数十GBに及ぶこともあるでしょう。ビッグデータなどを扱う企業なら、容量無制限のプランを選ぶのも一つの方法です。
容量だけでなく通信速度も重視しましょう。高速かつ安定性の高い通信環境が備わっていれば、大容量のデータを複数人で同時に扱うようなケースでも、業務効率を落としません。
セキュリティレベルは十分か
企業の重要データを保管する法人向けファイル管理サービスには、高水準のセキュリティ対策が不可欠です。
クラウド上に保存されるデータは、インターネット上にさらされることになるため、保存中や転送中のデータに対する暗号化やウイルスチェックなどの機能が必要となります。
データ消失を防止するバックアップ・権限付与・ダウンロード制限・ログ管理・不正アクセス対策などの機能も、セキュリティを高めるための重要な機能です。
データそのものを保護するシステムだけでなく、人的ミス・端末の故障・自然災害などによるリスクに対応できる機能があるかという点もチェックしましょう。
サポートは迅速かつ十分か
法人向けファイル管理サービスは、データセンターを提供事業者が管理することになります。
データが消失したりファイルにアクセスできなかったりしたときに、迅速なサポートを受けられなければ、業務が止まってしまうことにもなりかねません。
日本語で電話対応に応じてくれるかをチェックすることも重要です。メール対応しか受け付けていない事業者や、日本語対応できるスタッフがいない事業者では、トラブルが発生したときに業務に支障をきたす恐れがあります。
クラウドストレージは、24時間365日快適に動作することが大前提のツールです。サービスを選ぶ際は、サポートの充実度もきちんと確認しましょう。
法人向けおすすめのクラウドストレージ
企業で使用するクラウドストレージには、操作性やセキュリティなど、総合的なパフォーマンスの高さが求められます。おすすめの法人向けサービスをチェックしておきましょう。
デバイス問わず安全に管理できる「Fileforce」
「Fileforce」はPC・スマホ・タブレットなど、あらゆるデバイスからセキュアにデータを管理できるクラウドストレージです。
保存されたデータは使い慣れたフォルダ構造で整理されるため、全社的に利用できます。自由度の高いアクセス権限を設定できることもメリットです。
暗号化・ウイルスチェック・自動バックアップ・ログ管理・など、より安全性を高める機能も豊富に搭載されています。
導入時に面倒な移行作業が不要で、業務を止めずに既存データを移行できます。データの一元管理を実現しやすく、生産性と効率性の大幅な向上を見込めるでしょう。
Fileforce (ファイルフォース) | 法人向けクラウドストレージ
共同編集で高いパフォーマンス「Fleekdrive」
「Fleekdrive」は一つのプロジェクトを共同編集する際の、パフォーマンス性を重視して開発されたサービスです。
単なるデータの管理・共有だけでなく、チャットでコミュニケーションを図りながら作業できます。テレワークやモバイルワークなどの勤務形態に向いているツールです。
業務のシーンや目的に応じて、ファイルの共有方法を変更できます。安全かつ利便性の高いデータ共有環境を構築しやすくなるでしょう。
単純作業を自動化できることも特長です。さまざまな作業をルール化できるため、より本来の業務に集中できます。
法人向けクラウド・オンラインストレージ Fleekdrive(フリークドライブ)
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
使い勝手の良さが魅力の「Dropbox Business」
「Dropbox Business」は保存データを1カ所にまとめる機能や、共同作業ツールを同じ場所に保管する機能など、操作性を向上させる機能が豊富に搭載されているクラウドストレージです。
Googleドキュメント・スプレッドシート・Microsoft Officeファイルなどのツールも、切り替えることなく一つのツールで編集・共有できます。
さまざまなデバイスから簡単にアクセスできることも魅力です。大容量のデータもパスワードや有効期限設定で保護し、安全に送信できます。
Dropbox Business
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
セキュリティに充実したクラウドストレージ
情報漏えいなどのリスクに不安を感じるなら、万全のセキュリティ対策が講じられたサービスがおすすめです。充実したデータ保護機能が満載のクラウドストレージを紹介します。
デジタル資産管理に強い「IMAGE WORKS」
「IMAGE WORKS」は、富士フイルムが運営するクラウドストレージです。画像・映像・デザイン・図面など、デジタル資産の管理や共有に高いパフォーマンスを発揮します。
必要なファイルがすぐに見つかる、優れた検索性が魅力です。AIを活用した検索機能も搭載されています。
画像イメージでファイルを共有するため、初めて使う社内ユーザーや外部の取引先でも、簡単に閲覧・操作できるでしょう。
さまざまなセキュリティリスクに対応していることも特長です。通信暗号化・不正アクセス遮断機能・リアルタイムのウイルスチェック機能などが標準装備されています。
クラウド型ファイル管理・共有サービスIMAGE WORKS(イメージワークス) | 富士フイルム
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
操作性が魅力の「Box」
「Box」はブラウザを使わずにローカル端末から直接データにアクセスできる、操作性の高さが魅力的なサービスです。専用ツールを使えば、オフラインでも作業することが可能です。
アクセス権限を7段階に設定できるため、セキュリティをより強化できます。ユーザーごとに細かく権限を設定すれば、情報漏えいのリスクを低減できるでしょう。
アクセスログと操作ログを詳細に確認できることも魅力です。従業員の作業状況を見える化できるため、強固な内部統制を敷けます。
Boxとクラウド・コンテンツ・マネジメントの総合サイト | 株式会社 Box Japan
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
堅牢性が特徴の「クリプト便」
「クリプト便」は機密情報の受け渡しに特化したクラウドストレージサービスです。豊富なセキュリティ対策により、システムの堅牢性がより高められています。
悪意からデータを守る機能だけでなく、誤送信やメディアの紛失など、人的ミスにより発生するセキュリティリスクを意識した対策を数多く施していることが特長です。
社内監査部門からの厳しい外部委託ルールが課されるケースでも、厳格な安全管理措置に対するチェック項目に数多く適合しています。
セキュアなファイル転送やファイル共有に特化した「クリプト便」|NRIセキュア
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
幅広い業務に対応できるクラウドストレージ
サービス選びに迷ったら、さまざまな業務に対応するツールも選択肢に入れてみましょう。汎用性の高いおすすめのクラウドストレージを紹介します。
管理機能の豊富な「Bizストレージ ファイルシェア」
「Bizストレージ ファイルシェア」は上長承認・上長供覧・8種類のアクセス権限付与・サブ管理者設定など、メンバーやシステムの管理を容易にする機能が多彩に搭載されたサービスです。
2GBの大容量データや機密情報を、Webブラウザのみでセキュアにやり取りできるため、社外と頻繁にデータをやり取りする企業に向くでしょう。
暗号化・ウイルスチェック・不正アクセス防止・ログイン管理・ログ管理など、セキュリティレベルを高める機能も豊富です。
NTT Com | Bizストレージ ファイルシェア
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
幅広い業種での実績がある「GigaCC」
「GigaCC」は、さまざまな業種・業界に導入実績を持つ、汎用性の高さが魅力的なクラウドストレージです。業務の内容やニーズに合わせた柔軟なプランが用意されています。
業務の効率化を高める豊富な機能が特長です。宛先制限機能・ワークフロー機能・Zip強制暗号化などのセキュリティ機能も充実しているため、データを安全に送信できます。
コマンドラインツールを活用し、既存システムと連携させれば、業務フローの効率化や自動化を実現できることも魅力です。
企業間ファイル共有・転送サービス GigaCC
※本記事に記載している会社名やサービス名は、各社の商標または登録商標です。
まとめ
ファイル管理をクラウド移行すれば、アクセス性が向上しファイル共有が簡単になります。セキュリティリスクが軽減することも魅力です。
ストレージの容量・通信性・セキュリティレベル・サポートの充実度をチェックし、自社に適した法人向けファイル管理サービスを導入しましょう。