ITコストを抑えてクラウド化したい…とお考えの方へ
クラウドストレージもいろいろあって、どの商品が自社に一番合っているのかわからない。
そんな方のために、法人向けクラウドストレージの選び方を10個のポイントにまとめたガイドをご用意いたしました。ぜひご参照ください。
ファイルサーバーを構築するときには、数あるサーバーOSの中から適したものを選ばなければいけません。サーバーOSの基礎知識と種類ごとの特徴を押さえ、自社の状況に合わせて選定することが大切です。選定の参考としておすすめのOSも紹介します。
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サーバーOSとは?
『OS』はオペレーティングシステムの略で、コンピュータを動かすために必要なソフトウェアです。サーバーを動かすために必要なサーバーOSにはどのような特徴があるのでしょうか?
サーバー向けに設計されたOS
同じOSでもサーバー向けのサーバーOSとパソコンに搭載されているクライアントOSでは役割が異なります。
クライアントOSが画面表示や音声といった機能に優れているのに対し、サーバーOSは多数のパソコンによる接続要求に応え安定して稼働することを目的に設計されているのです。
パソコンにも共有機能がありますが、接続できるのは最大20台までです。それ以上の同時接続を行う場合にはサーバーOSが欠かせません。
多数のパソコンを接続しネットワークを構築するサーバーOSは、セキュリティ機能も強固に設計されています。サーバーOSに脆弱性があると、接続しているパソコン全てに影響を及ぼす可能性があるためです。
サーバーOSの種類は大きく分けて2種類
サーバーOSには大きく分けて『Windows系』『Linux系』の2種類があります。Windows系のサーバーOSは、『Active Directory』という管理システムで社内のパソコンを厳格に管理が可能です。
ユーザーの役職や所属に合わせたアクセス権を設定し、接続をコントロールできます。またWindowsユーザーが使いやすいよう設計されているのも特徴です。
Linux系のサーバーOSは、サーバー本体さえ用意すればOSは低コストで使えるのが魅力です。カスタマイズ性が高く企業の用途に合わせて設計できます。ただしその分難易度も高いため、扱うには専門知識が必要です。
Windows系サーバーの特徴
二つのサーバーOSのうち、Windows系にはどのような特徴があるのでしょうか?Windows系サーバーを検討する際に必要な、操作性やコスト面についても解説します。
マイクロソフト社が提供
Windowsというとパソコンに搭載されているOSをイメージする人が多いのではないでしょうか。サーバー向けに作られているWindows系OSも、パソコンのOSと同じマイクロソフト社が提供しています。
古いバージョンでは安定性に不安があると指摘されていたこともありますが、現在では安定性の問題は解消されています。
パソコンで圧倒的なシェアを誇っているWindowsだからこそ、基幹システムとして採用する企業が増えているサーバーOSです。
初心者でも使いやすい
サーバーの導入を初めて行う初心者が比較的使いやすいという点も、Windows系サーバーの特長です。クライアントOSのWindowsと同じGUIを利用しているため、基本的な操作はすぐに習得できます。
入門書やマニュアルが数多くあり学習しやすい点もポイントです。導入にあたり基礎知識を学べる教材が多くありますし、分からないことや問題が発生したときにも調べて対応できます。
コストがかかる
さまざまな費用が必要で、導入にも運営にもコストがかかるのはデメリットです。OSを利用するときには、同時接続するユーザー数に合わせて有料のライセンスを取得しなければいけません。
加えてCAL(Client Access License)という同時接続するユーザー数分のサーバー利用権も、エディションによっては必要です。さらに不具合が起こったときに受けられるヘルプデスクのサポートも有償になっています。
導入時はもちろん使い続ける限りコストがかかる仕組みです。
Windows Serverのエディション
利用する規模や機能に合わせてWindows Serverではいくつかのエディションを用意しています。それぞれのエディションの特徴を把握することで、自社に合うタイプを選びやすくなるでしょう。
一般的な『Standard Edition』
物理サーバーとして利用するか小規模な仮想環境を構築するときには、『Standard Edition』が向いています。Windows Server 2019の主な機能を利用できるため、データセンターに設置するという場合でなければ十分な機能です。
またパッケージ版・オープンビジネスライセンス版・DSP版・OEM版といったライセンス形態があるため、自社にあったものを選びましょう。いずれもライセンス料がかかります。
少人数向けの『Essentials Edition』
小規模な企業で導入する場合には『Essentials Edition』が向いています。ユーザー数25人以下で端末が50台以下のネットワーク構築に利用可能です。
上限までならユーザー数を問わないため、CALは必要ありません。プロセッサベースのライセンス体系のため、CPUが2機までのサーバーに利用できるエディションです。
そのためコストパフォーマンスを重視している企業にも向いています。ただしユーザー数が25人より多くなった場合には、Standard Editionへのアップグレードが必要です。
導入後すぐにアップグレードすると割高になることもあるため、エディションの選定時には今後の人事計画も考慮した上で選びましょう。
ファイルサーバー専用の『Windows Server IoT』
ファイルサーバーの設置に使うなら『Windows Server IoT』が適しています。ファイルサーバー用に調整されているため、導入しやすさが魅力です。
Windows Server 2022の高い機能を備えつつ、CALが不要なため低コストで利用できる点もポイントといえます。接続ユーザー数はWorkGroupエディションが50、Standardエディションであれば無制限です。
他のエディションと異なるのは、組込用OSとして提供されている点です。指定の販売業者が製品にインストールしたものを購入し導入します。
Windows Server 2022 | マイクロソフト
Linux系サーバーOSの特徴
UNIX系に分類されるLinux系サーバーは幅広い業種で導入されています。多くの企業で導入されているLinux系サーバーの特徴を具体的に確認しましょう。
サーバーOSの元祖
パソコンのクライアントOSとして有名なのはWindowsですが、サーバーOSで同じような知名度をもつのがLinux系サーバーです。Windowsより早い時期に同時接続が可能な機能を備えていた、サーバーOSの元祖と呼ばれるUNIX系に分類されています。
オープンソースとして扱われているLinuxは多くの技術者が研究し続けており、バージョン違いや派生形が多いのも特徴です。世界中で開発が行われてきた結果、高いセキュリティと安定性を実現しています。
低スペックのマシンで利用してもスムーズに起動しやすい点もLinux系の特長です。
ライセンス料がかからないものも多い
Linux系は無料開放されているソースをそのまま使うこともできますし、ソースをもとに作成された別バージョンや派生形を利用することもできます。
さまざまなバージョンがありますが、その多くはライセンス料がかかりません。無料でダウンロードし使い始められるため、コストは最小限で済みます。
ライセンスやCALの費用でコストが大きくなりがちなWindowsと比較して、低予算でも導入しやすいサーバーOSです。
ある程度の知識が必要
パソコンと似た方法で操作できるWindows系サーバーに対し、Linux系サーバーを操作するには専門知識が必要です。
キーボードを使ったコマンドラインで操作するため、知識を備えた技術者でなければ動かすことさえ難しいかもしれません。初めてサーバーを扱う人には不向きなOSといえます。
社内に専門知識をもつ人材がいない場合、導入前にサーバーの保守管理担当者として新たな社員を雇用する必要があるでしょう。
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そもそもLinuxとは?
Linux系サーバーの特徴を解説しましたが、そもそもLinuxとはどのようなOSなのでしょうか?開発の経緯やディストリビューション誕生の背景についてもチェックしましょう。
オープンソースのOS
プログラムの中身が公開されていることをオープンソースといいます。ソースコードを全て自由に使えるよう公開されているLinuxはオープンソースのOSです。
そのため世界中の技術者により研究が進んでおり、さまざまなバージョンが開発されています。改良後再配布されているバージョンから自社の目的に合うものを選べば、導入時のシステム構築の手間を省略可能です。
また公開されているソースを書き換え、自社のワークフローに合わせたシステムを一から設計することもできます。知識や技術さえあれば、修正も開発も柔軟に進められるでしょう。
Linuxの歴史
Linuxの開発者であるリーナス・トーバルズは、大学生のときに自らの勉強用としてUNIX系を参考にしながらLinuxを作り上げました。
そして成果を多くの人に見てもらいたい・よりよいOSになるようアドバイスをもらいたいという思いから、ソースを一般公開したそうです。オープンソースとして公開したことでLinuxは急速に広まっていきました。
自由に改変し再配布もできるオープンソースのLinuxには、大手企業の技術者も参加しています。そして圧倒的なシェアを誇るサーバーOSとなったのです。
現在では多くの企業が自社サーバーのOSに採用していますし、身近なアイテムではスマホのOSであるAndroidもLinuxから派生しています。
Linuxのディストリビューション
自社で導入する際、Linuxを用い一から開発をするには高度な専門知識が必要です。しかしディストリビューションというアプリケーションのパッケージを利用すると、技術者以外でも比較的簡単に扱えます。
例えばファイルサーバーとして使うためのディストリビューションを選べば、難しい改変の必要なく社内ファイルサーバーの構築が可能です。
さまざまな企業や団体がLinuxを元にしたディストリビューションを再配布しています。必要な機能を備えたディストリビューションを選ぶことで、Linuxを利用しやすくなります。
Linuxの主なディストリビューション
Linux系サーバーのディストリビューションには、有名な3種類の系統があります。それぞれの特徴を押さえておくことで、自社の目的や状況に合わせた導入が可能です。
Red Hat系
最も有名なディストリビューションは『Red Hat系』です。Red Hat社が有償で提供しているディストリビューションで、分かりやすさが特長といえます。
企業向けに特化した有料の『Red Hat Enterprise Linux(RHEL)』も用意されており、安心して導入できるでしょう。他にも無償の『Fedora』や『CentOS』は個人利用の定番です。
Slackware系
『openSUSE』『Plamo Linux』『Puppy Linux』などの『Slackware系』は、十分検証された実績のあるソフトウェアのみがリリースされるのが特徴で、バグやセキュリティ上の脆弱性が極めて少ないディストリビューションです。
シンプルな設計で高速運用がしやすいという評価もあります。安全に安定した利用ができる点は、機密情報を扱うことの多いビジネス利用には大きなメリットです。
しかし初心者には難易度が高めです。公式で配布している完成形のソースにソフトウェアを追加していくことでカスタマイズするため、使い勝手のよさはユーザーの知識や技術に左右されます。
Debian系
ボランティアを中心に開発が行われている『Debian系』は、高性能なディストリビューションとして知られています。性能の高さから扱いが難しそうな印象がありますが、ユーザーフレンドリーで使いやすさは抜群です。
Debian系から派生したOSも使い勝手のよさから人気があります。超小型PCRaspberry Pi向けのOS『Raspbian』に引き継がれている他、ユーザーの多い『Ubuntu』にも発展しています。
サーバー向けにおすすめLinux
Linux系OSの中でも、特にサーバーに向いている3種類を紹介します。日本語の情報も豊富なので、導入後に分からないことが出てきた場合でも問題を解決しやすいものばかりです。
使いやすく人気のある『Ubuntu』
使いやすさを重視して選ぶなら『Ubuntu』が向いています。インストール後すぐに使い始められるため、専門的な知識をもっていなくても無理なく導入可能です。
分からないことはフォーラムを参照すると解決できます。初心者サポートや一般的な質問について項目ごとに分かれているため、初めてでも分かりやすい構造です。またUbuntu Japanese Teamという専門家グループも対応します。
独自の画面は慣れるまで使いにくいと感じることもあるかもしれませんが、慣れてしまえばWindows系に劣らない扱いやすさを実感できるでしょう。また長期サポート版であれば5年間のセキュリティアップデートがあるため、安全面でも信頼感があります。
Homepage | Ubuntu Japanese Team
企業で使われることの多い『CentOS』
『RedHatLinux』のクローンOSとして、有償部分を取り除き提供されているのが『CentOS』です。分かりやすさが特徴のRedHat系を無料で利用したい場合に向いています。
Ubuntuと並びトップシェアを誇るOSで、企業のサーバーに導入されるケースが多いのも特徴です。Yum(Yellowdog Updater Modified)というパッケージ管理システムにより、ソフトウェアをコマンドで管理する仕組みが採用されています。
キーボードのみで操作するコマンドラインでの利用に向いているOSです。
The CentOS Project
初心者から上級者まで使える『Debian』
『Debian』は世界中から有志の技術者が集まり作り上げられたOSです。使いやすさが人気のUbuntuのもとになったディストリビューションだけあり、質の高さは折り紙付きです。
ソフトウェアをコマンドで管理する、APT(Advanced Package Tool)というパッケージ管理システムが搭載されています。初心者向けの情報も充実しているため、学習しながらの導入が可能です。
Debian JP Project – Debian JP Project
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まとめ
ファイルサーバーを社内に設置するときにおすすめのOSを紹介しました。サーバーOSにはマイクロソフト社が提供するWindows系と、オープンソースから豊富なディストリビューションが派生しているLinux系があります。
管理の担当者が初心者であればWindows系が向いていますが、ライセンス料の他ユーザー数に応じた料金も発生するためコストは高めです。
コストパフォーマンス重視であればLinux系が向いています。ただし難易度が高く専門知識が必要な点に注意が必要です。
またLinux系でも、RedHat系やSlackware系・Debian系といった使いやすくパッケージングされているディストリビューションを選べば、初心者でも使いやすいでしょう。
担当者の知識レベルや求める機能に応じて適したOSを選ぶのがポイントです。
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