ファイル共有ツールはどのような使い方ができるサービスなのでしょうか。企業で必要とされる理由や導入するメリットについてチェックしましょう。導入時の参考として、選び方の基準やおすすめのファイル共有サービスも紹介します。
ファイル共有ツールが必要な理由とは?
これまでもUSBメモリやメール添付によるファイル共有方法がありましたが、それでもファイル共有ツールが必要なのはなぜなのでしょうか。
業務効率が高まる
ファイル共有ツールを導入する最も大きな理由は、業務効率化ができる点です。例えばメールでのファイル共有では、やりとりに時間がかかることがあります。送信側と受信側の認識をすり合わせるのに時間がかかり、スピーディーに進まないこともあるでしょう。
ファイル共有ツールを使えば、クラウド上にファイルを格納することで共有にかかる時間を短縮できます。同時に複数人と共有する場合にもスムーズで、やりとりの無駄を取り除けるのです。
また複数拠点でファイル共有をすれば、社内のデータを一元管理でき情報のとりまとめや検索が簡単にできるようになります。必要な情報をスピーディーに取り出せるため、資料探しにかかる時間の短縮が可能です。
ファイル共有ツールを使うメリット
業務の効率アップに役立つファイル共有ツールにはさまざまなメリットがあります。現在行っているファイル共有の方法にはないメリットが見つかるでしょう。ここではファイル共有ツールの利点を4つ紹介します。
社外とのやりとりがスムーズになる
社外と速やかにファイル共有できることが、ファイル共有ツールを使うメリットの一つです。取引先企業との間で定期的に発生する見積書・請求書・納品書といった書類のやりとりは、従来であれば郵送していた企業も多いでしょう。
ファイル共有ツールなら専用の共有フォルダへ格納するだけでやりとりできるため、書類のプリントアウトや郵送用封筒の準備・投函といった手間がありません。人手に頼っていた仕事を自動化できればよりスムーズにやりとりできるようになります。
操作の記録が残る
操作の記録であるログが残るため、誰がどのような作業をいつ行ったかすぐに確認できる点もメリットといえるでしょう。情報漏えい対策の暗号化やアクセス権の設定も重要ですが、万が一の場合に記録をたどれることもセキュリティ面でのポイントといえます。
またファイルを共有し複数人で扱っていると、データを誤って編集してしまうこともあるでしょう。ログ管理機能があれば、万が一誤操作があったときも原因の究明と速やかな対応が可能です。
場所を選ばずに利用できる
クラウド上にファイルを保管するファイル共有ツールは、端末・ログイン情報・インターネット環境がそろっていれば利用可能です。場所を問わずファイル共有できます。
例えばテレワーク中の社員と共同作業するときの他、営業先で状況に合わせた資料を選び提示することも容易になります。移動時間中にも資料の確認ができるため、効率的に時間を使いやすくなるでしょう。
社内でノウハウを蓄積できる
業務遂行に重要な情報にもかかわらず、特定の個人が保有しマニュアル化されていないノウハウが存在することがあります。ファイル共有ツールを利用すると、広く共有しておきたい情報を社内ノウハウとして蓄積可能です。
社員全員が閲覧できる状態に設定すれば、重要なノウハウや知識をより早く身に付けられる可能性が高まるでしょう。また大切な情報を共有しやすいよう、マニュアルのテンプレートを用意しているツールも多くあります。
ファイル共有ツールを選ぶときのポイント
メリットが多数あるファイル共有ツールを選ぶときには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。自社での使い方に合致したツール選びができるよう、ポイントを確認することが大切です。
十分な機能が備わっているか
ツール選びで重要なのは、ファイル共有ツールでどのような課題を解決したいのかを明確にすることです。その上で課題解決に必要な機能がそろっているものを選びましょう。
例えば情報伝達をスピーディーに行いたいなら、ファイル共有機能のあるビジネスチャットツールが向いています。社内ノウハウを蓄積するのが目的なら、情報を長期活用しやすいように社内Wikiのような使い方ができるツールがよいでしょう。
他にも社外の関係者とファイル共有する機会が多い場合には、情報公開の範囲設定といったセキュリティ面も確認しておくと安心です。
ツールの使いやすさ
使い勝手のよさも導入前に確認しましょう。仕組みが複雑で操作が難しいツールでは、社員がうまく使いこなせない可能性があります。詳細なマニュアルの用意や問い合わせへの対応が必要になり、かえって業務の効率が落ちてしまうケースもあるでしょう。
また操作が面倒で使わない社員が出てくると、使用している社員との間で情報共有のミスが発生するかもしれません。社員のITスキルを把握し使いやすいツールを用意することが失敗を防ぐポイントです。
利用する規模と人数がマッチしているか
ファイル共有ツールの多くは、利用する人数によって料金が変動します。そのため導入したときに予算内で利用できるかを確認することが大切です。
導入後に当初の想定より利用者が増えると、コストが予算オーバーすることもあります。無料の検証用アカウントを利用できるツールであれば、その期間中に導入範囲を明確にすることで予想外のコストオーバーを回避できます。
また全社への導入が向いている企業もあれば、チーム単位の導入で十分効率化できる企業もあるでしょう。自社の状況を正しく把握し、適切なツールやプランを選ぶことが重要です。
おすすめのファイル共有サービス
導入のメリットや選び方のポイントを紹介しましたが、多くのサービスから選ぶとなるとどれがよいか迷ってしまうこともあるでしょう。ファイル共有ツールとして使用できるクラウドストレージの中でも、特におすすめの2種類を紹介します。
知名度抜群『Dropbox』
『Dropbox』は全世界で5億人以上のユーザーが利用している有名なファイル共有ツールです。単に共有できるだけでなく更新がリアルタイムで反映されるため、メンバー全員が常に最新のファイルをチェックできます。
作業の履歴も確認できるため、ファイルの更新時にミスがあっても原因をチェックでき、再発防止の対策が取りやすくなるでしょう。
WordやExcelなどのファイルを格納すれば、共有されているメンバーによる共同編集もできます。テレワークや離れた拠点間でもファイルを共有でき、スムーズに業務を遂行できる点がメリットです。
3ユーザー以上から使えるビジネス用プラン『Dropbox Business Standard』では、1ユーザーあたり月額1,800円で5TBもの大容量を扱えます。サイズの大きなファイルの共有が多い場合に向いているでしょう。
法人におすすめ『Fileforce』
オプションの追加で自社に必要な機能を満たすようカスタマイズできる『Fileforce』は、セキュリティ面でも安心して利用できる法人向けクラウドストレージです。
ドラッグアンドドロップのみで簡単にファイル整理ができるため、誰でも迷うことなくファイル共有機能を利用できるでしょう。モバイル機能もあり場所を問わずファイル共有できる点もポイントです。
またアカウントの一元管理により、それぞれのアカウントにファイルへのアクセス権を設定できます。Fileforce上で設定する以外にも、自社サーバーで設定されている権限をそのまま引き継いでの利用も可能です。
既存の仕組みのまま導入できるため、抵抗感なく利用できる点もメリットといえるでしょう。
Fileforce (ファイルフォース) | 法人向けクラウドストレージ
まとめ
ファイル共有ツールを利用すると、USBメモリやメールといった手間のかかる従来の共有方法よりも効率的に業務を進められます。仕事場所を問わず利用できるため、テレワークや外出先からの共有も可能です。
加えてセキュリティ対策や、業務の属人化への対策にもなります。このようなファイル共有ツールのメリットを生かすためには、自社に適したツール選びが欠かせません。
必要な機能が備わっていることや使いやすいツールであること、コストが予算に見合っていることを確認した上で導入するとよいでしょう。