テレワーク中は人と人とのつながりが希薄になります。雑談を上手に取り入れるとモチベーションがアップしたり、新たなアイデアが生まれたりと、業務にプラスの影響をもたらします。テレワークで使える雑談ツールにはどのようなものがあるのでしょうか?
テレワーク中の雑談の役割
テレワークの導入が広がる中、『雑談の重要性』が見直されています。雑談は人間関係を円滑にする上、新たなアイデアを生み出すきっかけにもなります。雑談の機会が減れば、企業にマイナスの影響を与えるのは避けられません。
社員を孤独感から救う
「昨日のテレビ見ましたか?」「うちの子どもが…」など、オフィスワークでは同僚とのちょっとした雑談が楽しみであることも少なくありません。
仕事中に雑談は必要ないという人もいますが、実は、社員間の協調性を向上させたり、モチベーションを高めたりするのに一役買っているのです。
テレワークによって雑談の機会がなくなると、『コミュニケーション不足』による弊害が生じます。孤独感や不安感を覚える人が多くなり、業務に支障をきたす恐れもあるでしょう。
テレワーク中の雑談には、社員のメンタルコンディションを保つ役割があります。チャットやビデオ通話などのITツールを活用し、交流の機会を意図的につくることが重要です。
新しいアイデアを生む
雑談のもう一つの役割が『新たなアイデアの創出』です。「雑談中にインスピレーションが降りてきた」「既存の思考が掛け合わされて新たなアイデアが生まれた」という経験がある人は多いのではないでしょうか?
アイデアはちょっとした雑談や立ち話から生まれると言われています。会議で上司から「何かいいアイデアを出せ」と言われても、そう簡単に出てくるものではありません。
テレワークで雑談の機会が減れば、新しいアイデアが創出されにくくなる上、発想の転換も難しくなります。チームが目指す『方向性の擦り合わせ』ができなくなり、思うような結果が残せない可能性もあるでしょう。
雑談をするタイミング
相手の顔が見えないテレワークでは「雑談のタイミングをいつにするか」が問題です。仕事から離れてリラックスする時間も必要ですが、業務上の相談ができる機会も欠かせません。
ランチや休憩時間に
雑談タイムに相応しいのは、ランチタイムや休憩時間です。テレワークになると一人で寂しく食事をしなければならず、孤独感が増大します。
作業をしながらPCの前で食事をするのが習慣になってしまい、「休憩をしている実感がない」という人も少なくありません。
仕事とプライベートの境界線が曖昧になると、知らず知らずのうちにストレスが蓄積されていきます。生活にメリハリを付けるためにも、任意参加の『オンラインランチ会』や『コーヒータイム』を設けましょう。
雑談をしながら食事をすれば、テレワークの孤独感が和らぎ、「午後も頑張ろう!」という気持ちになるでしょう。『オンライン飲み会』と違い、子どもがいる社員は子どもと一緒に参加ができます。
Web会議のアイスブレイクとして
『アイスブレイク(ice break)』とはコミュニケーションしやすい雰囲気をつくる手法のことです。会社では、研修や会議などの堅苦しいシーンの前に用いられるケースが多いでしょう。
Web会議をする前にアイスブレイクを取り入れると、和気あいあいとした雰囲気のまま、会議がスタートできます。コミュニケーションが活発になり、いつもよりもたくさんのアイデアが生まれるかもしれません。
アイスブレイクでは、『簡単なゲーム』や『自己紹介(他己紹介)』を行うのが一般的です。馴染みのあるメンバーであれば、24時間以内に起こった楽しいことを発表し合うのも良いでしょう。
リモートで仕事中の仲間とつながる
オフィスワーク時は仕事中でも気軽に相談や意見の交換ができていましたが、テレワークになると「相手の仕事の邪魔にならないだろうか」と声が掛けにくくなります。仕事上の相談はリアルタイムに行った方が問題は先延ばしされないため、『いつでも相談ができる環境やルール』をつくるのも重要でしょう。
たとえば、フレックスタイム制を導入している企業であれば、オンライン上に必ずいなければならない『コアタイム』を設けます。1日に1時間だけ『オンラインでつながったまま作業する機会』を取り入れてみるのも良いでしょう。
雑談は大事ですが、取り留めのない話をしているだけでは、仕事の成果には結び付きません。雑談×相談ができる場を設けることが生産性アップの鍵になります。
社員同士が気軽に話せる雑談ツール例
コミュニケーションツールは、ビデオ通話やチャットだけではありません。テレワーク中でも「もっと気軽に雑談がしたい!」という願いを叶えるツール紹介します。
話を引き出してくれるボット
『ボット(BOT)』とは、一定のタスクを自動化するためのアプリケーションやプログラムの総称です。近年、ボットがインタビュー(質問)をしてメンバー紹介をする『Colla(コラ)』というアプリが注目されているのをご存じでしょうか?
チームコミュニケーションアプリ『Slack(スラック)』で利用できる機能で、ワークスペースに無料のボットをインストールすると、ボットが指定したチャンネルでメンバー紹介してくれます。
「子どもの頃の夢は?」「来世は何になる予定?」など、ユニークな質問が多く、話が盛り上がることは間違いありません。
回答は毎日Slack内で発信され、蓄積されていくため、新メンバーが既存メンバーを知りたいときにも役立ちます。
いいとこどりのボイスチャット
テレワークのコミュニケーション手段といえば、ビデオ電話やチャットですが、「チャットよりも伝わりやすく、ビデオ電話よりも手軽に使える」と話題なのが『ボイスチャット』です。
ボイスチャンネルやルームを開設してメンバーを招待すると、同じルームに入っているメンバーとリアルタイムでやりとりができる仕組みで、代表的なサービスには『discord(ディスコード)』や『roundz(ラウンズ)』『RemoRoom(リモルーム)』があります。
オフィスいるときと同じ感覚で手軽に会話ができるため、コミュニケーション不足の解消に最適でしょう。カメラがなく、髪型・服装・化粧・背景などを気にしなくて良いのもメリットです。
また、『RemoRoom』は会話の制限時間が10分に設定されているため、長話の心配がありません。仕事の合間のちょっとした気分転換にぴったりです。
まとめ
テレワークの課題の一つは『コミュニケーション不足』と言われています。雑談の機会が減ると、新たなアイデアが創出されなかったり、社員間のつながりが希薄になったりとさまざまなマイナスの影響が表れるでしょう。社員の中には、「テレワーク中に雑談をしてはいけない」と考える人も少なくありません。オンラインランチ会やアイスブレイクなど、企業が積極的に雑談の場を準備する必要があるでしょう。ただ、雑談を容認すると、愚痴ばかり・無駄話ばかりになって仕事に身が入らなくなるケースもあります。目的を明確にした上で、ルールをしっかり定めましょう。