自宅やオフィススペースで作業ができる『テレワーク』を導入する企業が増えています。なぜ増えているのか、企業側におけるメリットを紹介します。テレワークに必要なツールも合わせて紹介しますので、導入する際の参考にしてください。
テレワークとは
テレワークとは、tele(離れた場所)とwork(仕事)を組み合わせた造語で、場所にとらわれずに働く労働形態のことです。
自宅やオフィススペースなど、会社以外の場所で事務作業を行ったり、移動時間を利用してPCや携帯電話で取引先とやりとりをしたりと、テレワークを活用した仕事を推奨している企業は、増加傾向にあります。
では、なぜテレワークが増加しているのでしょうか。その背景について、まずは解説します。
テレワーク導入が増えている背景
IT専門調査会社「IDC Japan」の調査によれば、2017年で国内テレワークを導入する企業は14万社と推測され、22年には29万社と、倍以上に増加すると予測されています。
テレワークは厚生労働省が19年にテレワーク宣言企業の公募を開始したこともあり、国内ではいっそうの注目を集めています。
背景には、子育てや介護との両立のために通勤が難しい社員が増えていることや、交通費・通勤時間による無駄の見直し、労働人口の減少によって採用の窓口を拡げざるを得ない状況など、さまざまな社会的要因があります。
また、ITインフラの整備により、会社にいなくても自宅やオフィスでできる業務範囲が増えたという点も大きいでしょう。
20年はコロナ禍を背景に、ますますテレワークを導入する企業が増えています。
テレワーク導入をする企業側のメリット
テレワークを導入することにより、企業側にどのようなメリットがあるのでしょうか。コスト面や採用面から解説します。
コストが削減できる
テレワークを導入することで、従業員が通勤する必要はなくなります。これにより、通勤にかかっていたコストがまるごと削減可能です。また、オフィス使用時の光熱費をはじめとする管理費も抑えられるでしょう。
その他にも、コストを削減できる項目が増えます。社員への労働スペースやPCといった設備を用意する必要もなくなりますし、社員食堂などの施設を運営する必要もありません。
従業員の離職率が下がる
育児や家事、介護などで出社が難しくなり、離職せざるを得ない社員を留めておくことができます。会社にとって必要な人材が、外部に流出してしまうのを防ぐことが可能です。
また、離職率を下げることによって、採用枠を減らすことができるので、採用や研修のコストを下げることにもつながります。
テレワークがはかどるツール
テレワークを行うためにはPCなどの機材に加えて、他の社員や上司とのコミュニケーションをとるためのツールであったり、勤怠管理のためのツールなどが必要になります。
テレワークを導入する上で、手助けになるツールとその役割を紹介しますので、参考にしてください。
コミュニケーションを補完「ビジネスチャットツール」
テレワーク中の大きな課題となるのが「チームや部署でいかにして連携を取っていくか」という点です。テレワークにおいては、直接顔を合わせることが少なくなるため、コミュニケーション手段の補填が不可欠になります。
そのために役立つのが「ビジネスチャットツール」です。メールよりも手軽に連絡をとることができ、ファイルの共有やタスク管理が行えるツールも多くあります。
取引先とのやりとりをビジネスチャットツールで行うことも可能です。テレワークを導入する上では、必須と言えるツールでしょう。
使いやすくて低コスト『ChatWork』
国内における導入社数は24万社以上、登録ユーザー数は300万人以上と、圧倒的なシェアを誇るビジネスチャットツールです。
1対1のコミュニケーションはもちろん、グループチャットにも利用でき、メンバー管理がしやすいという特徴もあります。Excelやpdfなどのファイルをアップロードすることもでき、メンバー内での共有も可能です。
有料版にしても1人あたり月1000円以下と低価格で、コストが低いのも魅力です。直感的な操作ができるので、マニュアルや研修を必要とせず、誰でも使うことができます。
コロナ禍余波で急拡大「Web会議ツール」
2020年はコロナウイルスの影響により、外出や人との接触が大きく制限されました。そのため会議や取引先とのミーティングを行う手段をどうすべきかという企業課題が、日本中の企業で顕著化した年でもあります。
そこで注目されたのが、PCやスマホを使ったWeb会議ツールです。顔を見ながら会話をすることができます。中には数万人以上が1度に参加できるツールもあり、会議だけではなく、セミナーツールとしても注目を集めています。
無料でも使える『Zoom』
Web会議ツールの中でも、特にシェア率が高いのが『Zoom』です。無料でも利用できますし、ダウンロードせずにブラウザからの利用もできます。
無料でも100人以上が会議に参加できるので、全社ミーティングや大規模なウェビナーツールとしても注目されています。
Zoomでは、ミーティングを行うだけでなく、ミーティングの録画と録音、画面共有、ホワイトボード機能があり、議事録などの記録を残したり、参加者同士の情報共有を行うことにも貢献します。
Googleカレンダーと連携してスケジュールを調整するといったことも可能で、オフライン時以上に会議を円滑に進めることができるツールです。
多様な働き方に対応「勤怠管理ツール」
テレワークにおける課題の一つが、「社員の勤怠をどう管理していくか」でしょう。生産性の確認のほかに、超過勤務になっていないかなどの管理が、出社する場合と比べて行いにくくなります。
この課題の解決に役立ってくれるのが『勤怠管理ツール』です。勤怠管理ツールは、スマホなどのモバイルから出勤・退勤・休憩の時間管理をオンラインで行えるだけでなく、GPS機能も付いているものがあり、どこから報告したのかも明らかになるツールもあります。
テレワークでも活躍『ジョブカン』
『ジョブカン』は勤怠管理におすすめのツールです。モバイルからの出社・退社の打刻が可能であり、GPS機能も付いているので、営業先や外回りの最中に出勤・退勤を記録することもできます。社員の行動を追いやすいのが特徴です。
残業時間をリアルタイムで記録でき、超過した場合はアラートを出すといった機能もあります。記録の修正を制御することもでき、不正な勤怠管理の防止も行いやすいので、管理コストの削減にも貢献します。
情報共有に有効「クラウドストレージ」
テレワークでは、情報共有をいかにしていくかも鍵になります。作成した資料や文書の共有のほかに、営業が持ち帰った議事録や社内連絡、社内wikiなどを円滑に共有しなければなりません。
情報共有が円滑に行えると、コミュニケーションの摩擦や共有漏れの防止にもつながります。そのためには、オンラインで情報共有がしやすい「クラウドストレージ」の導入は、テレワークでは必要になります。
高セキュリティのファイル管理ツール『Fileforce』
テレワークでクラウドストレージを利用する場合、特に重要なのがセキュリティです。第三者からの不正アクセスやテレワーク時に社員が重要情報を勝手に持ち出したりすることなどは、防がなければなりません。
『Fileforce』は、セキュリティ機能の高い、法人向けのストレージシステムを提供しています。最高水準の暗号化機能を備え、保存されているデータ全てを自動で暗号化するともに、詳細な権限設定によって、アクセス管理を高精度で行えます。
ストレージシステム自体も使いやすく、ほぼローカルディスクと同じ感覚で使用できる点や、オフラインでも利用できる機能があり、こまめな情報共有も支障なく行えるでしょう。
まとめ
テレワークは、IT環境の発達や労働人口減少、コロナ禍などを背景に急速に浸透しています。コスト削減や離職率の低下などのメリットもあり、今後導入を検討する企業はさらに増えてくるのではないでしょうか。
テレワークを適切に導入できるかどうかは、それを支援するツールが鍵を握っています。テレワークに必要なツールもあわせて検討し、情報共有や勤怠管理を円滑に行うことが、テレワークを成功させるポイントです。