ファイルサーバーからのクラウドストレージ移行をFileforceで実現。リモートワークにおけるファイルアクセスと運用負荷の課題を解消
システージ株式会社(以下、システージ)は、北九州市に本社を置き、民間企業、官公庁、教育機関のITプラットフォーム、ネットワークシステム、セキュリティソリューションや、コンサルティング、保守サービスといったITサービスを幅広く手がけています。
数年前より社内サーバーにVPN接続を行なう為にセキュリティソリューションを導入し、リモートワーク環境を整備してきたシステージですが、ファイルサーバーへの接続品質やアクセス性能に加えて社内システムの運用負荷増加の課題があり、ファイルサーバーのOSサポート終了時期に先立ち導入したのがFileforceでした。
検討から導入に至るまでと、またその効果について導入プロジェクトを推進された天野氏、深田氏、萱野氏にお話を伺いました。
背景・課題
VPN経由でのファイルアクセス利便性、社内システム運用兼務の担当者負荷増が課題
システージが抱えていたファイルサーバーの課題は大きく2つあります。1つ目は、かねてより導入していたVPN経由でのファイルアクセスの性能と利便性に課題があったことです。
天野氏はこう説明します。
「従来VPN接続ソフトウェアを導入してリモートワークができる環境は整っていたのですが、VPN経由ではファイルサーバーに保存してあるファイルを開く際に時間がかかりすぎたり、接続が途切れてアクセスできなかったりと、業務に支障が出ていました。また、VPN接続の『開始』と『終了』の操作が必須だったので、その点も煩わしさがありました。」
2つ目は、社内システム運用兼務の担当者負荷の増加です。システージは、事業としてもお客様向けのサーバーやネットワークの構築、運用を行うプロフェッショナル集団ですが、社内システムの専任担当者はおらず兼務体制で運用を行っています。
社内システム運用を兼務する深田氏はこう話します。
「社内で、お客様向けの検証機、社内システム用サーバー等様々ありますが、特にストレージ容量が大きく、日々の定常的な運用負荷が大きいものの一つがファイルサーバーでした。また、バックアップは取っていましたが誰でも簡単に復元できるわけではなく、操作ログの記録や管理もし辛いという従来からの課題に加え、サーバーのOSサポート終了のタイミングで、今後もオンプレミスのファイルサーバーを社内で運用していくのか?という議論になりました。そこからクラウドストレージを検討し始めました。」
更に営業の萱野氏もこう振り返ります。
「自社で取り扱う商材としても、社内のファイルサーバーやNASのように利用できるサービスを探していたところでもありました。自社の課題解決はもちろんですが、オンプレミスのファイルサーバーに代わるファイル管理の手段としてクラウドストレージには、市場のニーズもあると考えていました。社内の課題解決と、お客様のニーズに応えるサービス選定という2つの観点で、クラウドストレージ比較をすすめることとなりました。」
選定・導入
安定したサービス品質と権限管理、使い勝手のよさが導入を後押し
システージのそうした課題を解消すべく、主要なクラウドストレージサービスの中から、3社に絞り比較検討を実施。採用されたのはFileforceでした。
重要視したポイントについて、天野氏はこう話します。
「サービス品質が安定していることと、従来のファイルサーバーと同様な画面操作で利用できるか、アクセス権限設定が簡単にでき、加えてバックアップや操作ログといった課題解消と、運用負荷の軽減ができるかという点を評価しました。」
大手クラウドストレージでは、アクセス権限設定が容易ではないうえに、従来の運用を変更するにあたっての負荷増加を懸念したといいます。深田氏はこう振り返ります。
「クラウドストレージへの移行作業の負荷や、安全性の高いアクセス権限設定、ユーザー教育、操作サポートの負荷を考慮し、従来のファイルサーバーのような使い勝手を再現できるサービスが最適と考えていました。ユーザー情報はActive Directoryで連携し、ユーザー認証の連携はAzure ADで行っているので、その検証も行いました。」
なお、可用性(システムの継続稼働、安定性)については、特に慎重に評価をしたといいます。クラウドに保存したデータは複数拠点に同時コピーされているという点と、さらに費用をかけてデータ保管をするインフラを個別に分ける可能性も検討をし、自社にとってのコストパフォーマンスの高いサービスを選定したといいます。
導入後の効果
リモートワークは圧倒的に快適に。業務を止めずに社内インフラのメンテナンスも容易になる
2021年よりFileforceを導入し利用しているシステージ。導入時はユーザー自身でFileforceのアプリ(Fileforce Drive)のインストールを行いましたが、数名の問合せフォローをしたのみで、展開後はスムーズに運用が定着したといいます。
「非常に快適に安定して利用できています。リモートワークの度にVPN接続をする煩わしさと、ファイルを閲覧したり編集したりする際のもたつくストレスから解放されました。」(天野氏)
「ファイルサーバーを社内で運用していた従来は、社内ネットワークのメンテナンス作業時に一時的にファイルアクセスの停止を周知する運用でしたが、今はユーザーの業務を止めずに作業を実施できています」(深田氏)
さらに昨今企業の脅威となっている「ランサムウェア対策」としても導入の価値を実感しており、万が一不正にファイルが暗号化されたとしてもFileforceであれば自動保存されているバージョンファイルから復旧できるため安心といいます。
「ハードウェア保守切れ」「OSサポート終了」といった定期的な対応が不要になることに加え、利用状況に応じて段階的にストレージを拡張でき、バージョンファイル保存やログ保管など多機能。そのコストパフォーマンスの高さとユーザー操作感が変わらない使いやすさは、販売代理店として企業のDXを支援する立場としてもお客様に提案しやすいといいます。
「重要な機密データはFileforceに保存し、容量が大きく且つプロジェクトで利用するだけの一時的データは安価なNASに保存する、といったハイブリットの使い方をされるお客様もいますが、今後はあらゆるファイルをクラウドストレージへ集約するという企業は増えていくでしょうまずは自社で導入することでメリットを実感できたので今後はクライアントにも自信を持って勧めていきます。」(天野氏)
ITインフラに関わる様々なお客様の課題を解決のために常に新しいサービスを探求し続けるシステージ。ファイル管理の運用効率化と、セキュリティやコラボレーションといった新たな付加価値提供で、Fileforceは同社の業務効率化と生産性向上に引き続き貢献していきます。
本事例のポイント
- 課題
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- リモートワーク時の生産性向上
- システム運用担当者の業務負荷増加
- OSサポート終了に伴うシステム入れ変え作業負荷
- 選定理由
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- 柔軟なアクセス権限管理
- ユーザー教育不要の使いやすい操作画面
- AD連携、SSO等による効率的運用
- 効果
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- 快適なファイルアクセスで生産性向上
- 社内インフラ運用の業務負荷軽減
- ランサムウェア対策としても有効なバージョンファイル管理