大手コンタクトレンズメーカーがクラウドストレージ導入によりセキュリティ向上と容量不足解消を実現

株式会社シード(以下、シード)は、1957年の創立以来、「眼」の総合専門メーカーとしてコンタクトレンズや関連商品の製造・販売を行っています。多様な「みえる」喜びを創造する社会の実現を目指し、コンタクトレンズ事業にとどまらず、関連するケア用品や眼に関する商品を展開しています。同社では、これまでNASや他社のサービスを利用してきましたが、容量不足や機器の老朽化といった課題を解決するために、全拠点でFileforceを導入しました。 今回は、シードの情報システム部に所属する佐藤氏と伊藤氏に、Fileforce導入の経緯や導入後の効果についてお話を伺いました。

容量不足や機器の老朽化によりクラウドストレージを検討

これまでシードでは、全拠点でNASと他社サービスを併用していました。しかし、容量不足や機器の老朽化が課題であったと伊藤氏は話します。

「これまで、ファイルサーバを使用してAD(Active Directory)で権限制御を行っていました。また、各営業所にはNASを設置し、ファイルの共有や管理を行っていたのですが、NASの老朽化や容量の不足が深刻な問題となっていました。さらに、社外とのファイル共有については他社の外部ストレージサービスを利用していましたが、こちらも容量が不足するたび利用者にデータ削除を依頼して対処していました。」

既存のNASをリプレースするにあたり、複数のクラウドストレージサービスを比較検討したとのことです。

「数年前からクラウドストレージへの移行を考えていました。メジャーなサービスを含め、いろいろなサービスを比較検討しましたが、多くのサービスが導入にかかる労力が大きいという印象でした。そんな中、ファイルフォース社から提案を受けて製品を検討したところ、他社よりも導入が簡単だと感じました。」

Fileforce導入の決め手は、AD連携やコストパフォーマンスに加え、さらなるセキュリティ強化

佐藤氏によると、Fileforceを導入する際の決め手は、導入の労力以外にもいくつかあったといいます。

「特にAD連携が重要な要素でした。既存のセキュリティグループとのスムーズな連携が可能で、管理が一元化できる点が非常に大きかったです。また、エクスプローラーで操作できるため、現場の操作性が既存環境とほとんど変わらないことも、導入を決めた理由の一つです。他社のクラウドストレージでは、管理が煩雑になり、データの一元管理が難しくなる懸念がありましたが、Fileforceは管理が一貫していて、運用面での負担が少ない点も非常に魅力的でした。」

また、コスト面やセキュリティにおいても、Fileforceが評価されたとのことです。

「Fileforceにはユーザー数無制限プランがあることで、他社と比べてコストパフォーマンスが非常に優れていました。セキュリティ面では丁度、ISMSやPマークの取得を進めていた時期で、より安全なデータ管理が求められていたため、ランサムウェア対策が標準で備わっている点が大きかったです。特に、感染した部分だけを復元できる機能は、業務への影響を最小限に抑えられるため、高く評価しました。」

将来的にはデータ管理をFileforceに統一したい

Fileforceの導入について、特に苦労した点はなかったと伊藤氏は話します。権限設定もそのまま移行できたため、非常にスムーズに進んだとのことです。

「導入時の設定も非常に簡単でした。特に権限設定がスムーズで、モジュールの配布もプロファイルを置くだけで済みました。データ移行に関しては、NASのデータをすべて移すのではなく、まずは機密情報や必要なファイルのみを移行し、あとは各部署が必要なデータを移すという方針を取ったので、システム部の負担は少なかったですね。導入後の運用についても、管理するツールが増えたにもかかわらず、工数や負担が増えることなく利用できている点に満足しています。」

現在、Fileforceと他社サービスを併用しているものの、将来的にはFileforceに統一したいと佐藤氏は話します。

「ファイル共有に関しては、ファイルフォース社の提案を受け、私たちの要望に合わせた新しいフォルダ構成をFileforce上に作成しました。既存のフォルダをそのまま移行するのではなく、プロジェクトごとに使いやすい形で構築しています。ただ、外部との共有について、導入前から使用していた他のツールも、引き続き併用しているのが現状です。将来的にはFileforceに統一したいと考えていますが、現在の業務状況ではすぐに切り替えるのは難しく、今後の課題となっています。」

電子帳簿保存法対応と新機能への期待

シードでは、Fileforceを電子帳簿保存法に対応した文書の保存先としても利用していると佐藤氏は話します。特に、見積書や発注書などの保存が求められる書類の管理にFileforceを活用しており、これによりNASの容量不足問題を解決できたとのことです。

「以前はNASや物理サーバーで文書を保管していましたが、検索性が低く、ファイルを探すのに手間がかかることが多々ありました。現在は他のツールと併用していますが、容量不足の問題に対処するために、Fileforceを追加の保管先として利用しています。容量不足の問題が解決できたことに加え、検索も便利なので助かっています。」

Fileforceでは、AI-OCR機能を搭載したSmartFolder™ for 電帳法がリリースされ、より効率的な文書管理が可能になると考えます。取引年月日や金額などの情報を自動的に読み取り、経理担当者による確認や承認が容易になることから、業務のさらなる効率化が期待されています。

「まだ電帳法への対応は始まったばかりで、現時点では既存の仕組みを使っています。しかし、新しい機能が提供されることで、将来的に導入を検討する余地はあると考えています。また、今後は契約書以外にも電子サインを活用する場面が増えると思うので、手軽に電子サインを利用できるツールがあれば、ぜひ活用したいと考えています。」

Fileforceを導入したことによる安心感と今後の展望

Fileforceを導入したことの最大のメリットは、「安心感」だと伊藤氏は話します。

「定量的な効果を測るのは難しいですが、Fileforceを使うことで得られる安心感は非常に大きいです。特に機密情報の管理において、ランサムウェア対策やログ管理機能が充実している点が安心材料となっています。また、導入後はあまり意識することなく利用できていますが、導入前の検討段階では、データセンターが東京リージョンにあることも安心の要因でした。」

今後の展望について、佐藤氏は「社内での活用をさらに進めていきたい」と語ります。

「現状、まだFileforceのすべての機能を十分に活用できていません。今後は社内でより有効に使えるようにしていきたいと考えています。ただ、当社は製造業なので、ITリテラシーが高い社員ばかりではありません。エンドユーザーが気軽に利用できるよう、マニュアルの整備などが必要だと感じています。また、海外にも子会社があるため、今後は海外展開も視野に入れていますが、海外では一般的にメジャーなサービスが多く利用されているため、展開方法については検討課題だと思います。」

本事例のポイント

課題
  • NASの老朽化や容量不足が深刻な問題となっていた。
  • 外部ストレージの容量が限られており、頻繁にデータ削除を依頼していた。
選定理由
  • AD連携により既存のセキュリティグループとのスムーズな管理が可能。
  • コストパフォーマンスが優れていた。
  • セキュリティが強固で、操作や管理の負担も少ない。
効果
  • 権限設定やデータ移行もスムーズに進み、容量不足の問題が解消できた。
  • ランサムウェア対策やログ管理機能による安心感が得られた。
  • 管理負担が増えることなく運用できている。

※本記事の内容は取材時(2024年10月)の情報です。

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