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テレビ放送関連企業

放送会社がクラウド移行により、Active Directory依存とファイルサーバーの課題を一気に解決!

テレビ放送事業に携わる某社(以下、「A社」と記載)の導入事例をご紹介します。放送業界では、映像や通信技術の進化が進むにつれ、データ管理や情報共有の重要性がますます高まっており、社内のITネットワークや情報セキュリティの適切な運用は、事業の継続性を確保するうえで欠かせません。

こうした状況のなか、A社は社内のファイル管理や社外との情報共有に関する課題を解決し、運用負担を軽減するために、クラウドストレージサービス「Fileforce」を導入しました。

今回は、システム管理を担当するM氏に、導入の経緯やその効果について詳しく伺いました。

オンプレミスファイルサーバー運用の課題

A社では長年、オンプレミス型のファイルサーバーを運用し、Active Directory(AD)を活用したアクセス管理を行っていました。しかし、この運用にはいくつかの課題があったと、情報システム担当のM氏は振り返ります。

「部署ごとに独自のファイルサーバーを導入し、すべてオンプレミスで管理していました。ランサムウェア対策としてNASを活用し、定期的にバックアップを取る運用でしたが、社員の異動があるたびにアクセス権の整理が必要で、管理の負担が大きかったですね。」

また、社外とのファイル共有に関しても課題があったといいます。

「通常のファイル共有にはPPAPを用い、大容量ファイルの送付には、別途契約したファイル共有システムを利用していました。ただ、利用頻度が低かったため、コストや手間がかかるといった課題がありました。」

さらに、各部署が独自にファイルサーバーを管理していたことで、全社的な一元管理が難しく、統制がとれない部分もあったとM氏は続けます。

「私は全体のセキュリティ管理を担当していましたが、ハードウェアの運用やアップデートは部署ごとに対応していました。そのため、全体の構成は把握できているものの、細かな運用部分まで完全に管理することは難しい状況でした。」

「放送を止めない」クラウド化の決断と評価ポイント

A社がクラウドストレージの導入を決断した背景には、ハードウェア障害のリスクとAD依存からの脱却という二つの大きな課題がありました。

「サーバーは定期的に更新が必要で、そのたびにコストが発生します。また、障害が起きれば復旧作業に手間がかかり、業務の継続性にも影響を及ぼします。私たちとしては、ハードウェア資産を極力持たず、ADがダウンしても影響を受けない環境を構築することが大きな課題でした。しかし、オンプレミスでファイルサーバーを運用している限り、ADに依存せざるを得ない状況だったのです。」

システムの継続的な運用が放送インフラの維持に直結するため、クラウド移行の必要性はますます高まっていました。

「ファイルサーバーが停止するということは、放送インフラの中核が機能しなくなるのと同じことなのです。BCP(事業継続計画)の観点からも、クラウド環境へ移行し、システムの可用性を高めることは避けて通れない選択でした。」

決め手は「使いやすさ」と「AD依存からの脱却」

A社がクラウドストレージを選定する際、最も重視したのは、”ユーザーが違和感なく利用できること”でした。

「ファイルサーバーをクラウドへ移行する際、操作感が大きく変わってしまうと、導入後の定着が難しくなります。そのため、エクスプローラーでの操作が可能で、従来と同じ使用感を維持できることが重要なポイントでした。」

また、システム管理の観点からは、メンテナンスの容易さや耐障害性も大きな評価基準となりました。

「他社製品とも比較しましたが、Fileforceはレスポンスが良く、ADに依存せず運用できる点が魅力でした。情報システム部門としては、耐障害性、AD依存からの脱却、そしてメンテナンスのしやすさが大きな評価ポイントでしたが、すべて問題なくクリアしていました。」

導入後は、ハードウェアの管理や障害対応にかかる負担が大幅に軽減。さらに、Entra IDを活用した統一的なユーザー管理が可能になったことで、アクセス管理がシンプルになり、メンテナンス性も大きく向上したとのことです。

国内法準拠による安心感

事業継続の観点からも、クラウド環境の強みを実感しているとM氏は語ります。

「従来のAD環境では、ADサーバーがダウンするとファイルサーバーへのアクセスもできなくなるリスクがありました。Fileforceを導入したことで、そのリスクを完全に排除できたのは、非常に大きなメリットです。」

加えて、データの保管場所と法的管理の問題も、導入の決め手の一つになりました。

「例えば、他社のクラウドストレージサービスでは、データが世界中のリージョンに分散して管理されるケースがあります。そのため、日本国外のデータセンターに情報が保存されていると、各国の法的要求に応じて開示を求められるリスクがある点が懸念事項でした。 一方、Fileforceは東京リージョンで管理され、日本国内法が適用されることが確約されています。これは、機密情報を扱う企業にとって、非常に大きな安心材料になりました。」

クラウドストレージの導入にあたり、A社が直面した大きな課題の一つがデータ移行のスケジュール調整でした。特に、24時間365日稼働する現場部署のシステムを完全に停止できないという制約の中で、いかにスムーズに移行を進めるかが重要なポイントとなりました。

「現場の部署では、土日も関係なくシステムが稼働しているため、一斉にサーバーを停止して移行するのは現実的ではありませんでした。そのため、一度にすべてのデータを移行するのではなく、初回のアップロード後に差分データのみを転送する方式を取りました。これにより、最初の移行時に発生した更新分だけを追加で移行することで、システムの停止時間を最小限に抑えることができました。」

しかし、この方法ではエラーが発生する場合もあったといいます。

「この方法では、容量の大きいファイルではエラーが発生することがあり、一部は手動で対応する必要がありました。そこは、ファイルフォース社のサポートチームと連携しながら解決していきました。」

Fileforce導入により、実感できた3つの効果

Fileforceの導入により、情報検索の利便性、全社統一ポリシーによる管理の最適化、そしてコストと管理負担の軽減といった多方面での効果を実感しているとM氏は語ります。

「弊社では、プロジェクトが10~15年単位で進行することもあり、過去の情報を探すのが大変でした。以前はどこに格納されているかわからないことも多く、検索に時間がかかることがありましたが、FileforceのIntelliSearch™ Proオプション内の全文検索機能を活用することで、フォルダ構造を把握する手間が省け、必要な情報を素早く取り出せるようになりました。」

アクセス管理の一元化により、運用の利便性が大幅に向上したことについても、M氏は次のように話します。

「以前は、各部署が個別にファイルサーバーを管理していたため、アクセス管理の調整が非常に煩雑でした。しかし、FileforceではWeb上でセキュリティポリシーをすべて可視化できるため、どのポリシーがどこに適用されているのかを一覧で確認できます。ユーザー側からも、アクセスできるフォルダのみが表示されるようになったため、迷わず目的のファイルにたどり着けるようになり、運用が効率化されたと感じています。」

また、コスト面においても実質的な削減効果を実感しているとのことです。

「クラウドストレージとオンプレのファイルサーバーを単純に比較すると、直接的な費用に大きな差はありません。しかし、社外向けのファイル共有システムの契約費や管理コストが大幅に削減されることで、トータルコストとしては削減効果を感じています。例えば、SCIM/SSO連携は、導入時に一度設定すれば、以降は自動でグループとユーザー管理ができるため、管理の負担が大幅に軽減されました。」

Fileforceのおすすめポイントと今後への期待

最後に、Fileforceのおすすめできる点と、今後期待する改善点について伺いました。

「大きなメリットの一つは、イレブンナインの耐久性とランサムウェア対策機能により、データロストのリスクが極めて低いことです。これは、あらゆる企業にとって重要な要素だと考えています。情報システム部門の視点からは、AD依存から脱却できる点が非常に大きなメリットでした。弊社のように、ADの管理が負担になっている企業、かつADを廃止しても業務に大きな影響を及ぼさない環境であれば、Fileforceのメリットをより強く実感できると思います。」

一方で、さらなる利便性向上への期待もあります。

「現在、セキュリティポリシーが適用されたファイルは、全文検索の対象外になっています。しかし、閲覧権限を持つユーザーには検索結果が表示されるような仕様になれば、さらに使い勝手が向上します。将来的には、こうした機能改善が進むことを期待しています。」


本事例のポイント
  • 課題
    • オンプレミスのファイルサーバーのバックアップ含む障害時対応
    • 各部署でのファイルサーバー管理による全体的な一元管理と統制が取れない
    • 社外との大容量ファイル共有時に利用頻度が低いシステムを利用したことでのコスト増加
  • 選定理由
    • 国内のデータセンターを利用していることで重大な機密情報とデータ保管を安心安全に行える
    • メンテナンスの容易さや耐障害性
    • ユーザーが違和感なく利用できるエクスプローラーからの操作性
  • 効果
    • ハードウェアの管理や障害対応にかかる負担が大幅に軽減
    • 社外向けのファイル共有システムコストとSCIM/SSO連携により管理コストが大幅に削減
    • 10年以上前の過去情報に全文検索機能を活用することで素早く見つけることができた

※本記事の内容は取材時(2025年02月)の情報です。

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